Arturiaのプラグインエフェクト 3Preamps / 3Filters レビュー

Author: sleepfreaks

往年の名機のパーツをプラグイン化

3-filter-pre

今回は先日Arturiaから発売された、「3Preamps」そして「3Filters」という製品をご紹介したいと思います。
Arturiaがプラグインエフェクト?と意外に思われた方もいらっしゃると思いますが、これまで培われた技術が存分に注ぎ込まれた素晴らしい製品となっておりますので、ぜひ動画で音を確かめながらご覧下さい。

Arturiaのプラグインエフェクト 3Preamps / 3Filters レビュー動画

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3Preamps

3Preamps

その名前の通り、厳選された3つの伝説的スタジオコンソールのプリアンプ部やEQをチャンネルストリップとしてプラグイン化したものです。
それぞれ独自のキャラクターを持っているため使い分けることが可能です。
ビンテージ・シンセを正確に再現するV Collectionで採用されたArturia独自のテクノロジー、TAE®によりモデリングされているため、高い精度を誇っています。
これらによって数々のヒット曲や歴史的名曲、名盤のサウンド・キャラクターを再現できると言えるでしょう。

1973-Pre

1973

1973 Preは、有名なNeve 1073のモデリングです。
赤いツマミのINPUTゲインによりドライブ感や倍音のキャラクターを変化させることができます。
効きの良い3バンドEQと1ハイパスフィルターも良く再現されており、直感的なサウンドメイクが可能です。
ステレオトラックでは2chで使用することができ、実機にはないL-Rリンク/個別処理のほか、M-Sモードといった現代的な機能が盛り込まれています。

音の印象としては、やはりNeveらしく輪郭がはっきりとした前に出るサウンドになりますね。ボーカルはもちろんスネアやアコギ、Sawリード系のサウンド等をソリッドに仕上げたい時に活躍しそうです。

V76-Pre

V76

ドイツ製のビンテージコンソール、Telefunken V76/80のモデリングです。
60〜70年代にアビィ・ロードスタジオ等で活躍し、現代も希少なアナログ・アウトボードとして高値で売買されています。EQの部分はV612 EQを組み合わせています。
こちらは真空管プリアンプとなっており、INPUTゲインにより真空管独特のサチュレーション効果を得ることができます。EQ部はHi/Lowの2バンドによるシンプルなイコライジングです。
またこちらもステレオモードではL-Rリンク/個別処理のほか、M-Sモードも搭載しています。

1973-Preのような押し出し感はありませんが、真空管らしい温かみのあるサウンドです。EQも穏やかに効く印象ですね。レトロな雰囲気を出したい場合や、アンビエント的なサウンドにも重宝するのではないでしょうか。

TridA-Pre

TridA

デヴィッドボウイ、クイーン等、数々のブリティッシュ・ロックの名盤を生んだTrident StudioのTrident A Range consolesのチャンネルストリップです。
こちらもINPUTゲインでドライブ感を調整することができ、4バンドEQとハイパスフィルターに加え、ローパスフィルターも装備しています。
他の二種同様に、ステレオモードではL-Rリンク/個別処理のほか、M-Sモードも搭載しています。

空気感などの繊細なニュアンスが出しやすい印象で、バラードのボーカルやストリングス、ガットギターなどに使ってみたいサウンドです。EQも細かく設定できるのでトラックによってはこれ一つでまとまりそうですね。

3Filters

3Filters

3Filtersは、アナログシンセ黄金時代をダイレクトに伝える不朽の名機3種のフィルター部分をプラグイン化したものです。
これによりシンセサウンドだけでなく、ボーカルやギターなど様々なソースに対してクリエイティブなフィルター・コントロールを適用することが可能になりました。
こちらも、ビンテージ・シンセやキーボードを正確に再現したV Collectionで採用されたArturia独自のテクノロジー、TAE®によりモデリングされています。

Mini-Filter

Mini

Moogシンセサイザーのスムーズなラダー・フィルターを正確に再現し、テンポシンクなどの現代的な機能も備えています。
LFO、エンヴェロープフォロワーの他、8ステップのステップシーケンサーによってフィルターをコントロールできる点が特徴です。
シンプルな操作パネルですが、モーグ独特の味があるフィルターの効き方をします。また、強烈な歪みを足したり、スタッター効果のようなフレーズ作りも可能です。

SEM-Filter

SEM

1974年にリリースされたOverhimeのシンセサイザーモジュール「SEM」のフィルターをプラグイン化したものです。
連続的に変化するステートバリアブル・フィルターが特長で、DRY/WETツマミ等も付いており使い勝手がいいのが特長です。
またソフトクリッピングモードなどでアナログライクな音質加工も可能。シンプルながらモジュレーション・マトリクスも装備しています。
ノイズを足すこともできるので、シンセサウンドをリズムループのようにするトリッキーなサウンドメイクも可能です。

M12-Filter

M12

1984年リリースのOverhime Matrix-12タイプのマルチモードフィルターをプラグイン化したものです。
ルーティング切り替えることのできる2つのフィルターを持ち、それぞれ15種類のフィルターモードが用意されています。
そして中央にグラフィカルにデザイン可能なエンヴェロープが3つ。
さらにランダムや、簡易なMOD OSCも装備されており、フィルターの各パラメーターへマトリックス形式でアサインできます。
他の2種に比べ非常に細かい設定ができるのが特徴です。
複数のエンヴェロープやランダムを交えると無限に音作りができそうですね。様々なソースにかけて化学反応を起こしたくなるフィルタープラグインです。


以上、Arturia渾身のプラグイン「3Preamps」「3Filters」をご紹介しました。
既存製品に対してしっかりと存在感を打ち出した製品だと思います。ご興味を持たれた方は、ぜひお試しください。

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記事の担当 大鶴 暢彦/Nobuhiko Otsuru

Sleepfreaks DTM講師 大鶴 暢彦
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