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目次

日々のコピートレーニングでスキルを上げる 音楽コンペ 楽曲採用の近道

Author: sleepfreaks

採用を勝ち取るためのトレーニング法

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数週に渡りお届けしてきました当カテゴリーも今回で最終回となります。

コンペの流れ〜作業環境までをお伝えしてきましたが、
やはり最後に避けて通れないテーマは、スキル向上のための努力を含めた音楽に向き合う姿勢です。

音楽に限らず何においてもよく言われていることですが、日々の積み重ねが大きな差を生み出します。
地道に適切なトレーニングを継続することが肝要となりますので、
今回はそのポイントを確認していきましょう。

Brain

楽曲の作成ペースを上げ、数をこなすというのも大切ですが、
それ以上に楽曲の研究を行うことを重要視してください。

音楽は時代と共に常に変化しています。
今後も新しい制作手法や概念も出てきますし、
タブーとされていたことが、良いものとして持ち上げられることも起こりえます。

そういった動きに常にアンテナを張り、時代に求められるサウンドを取り入れていくことが大切です。

実績を出している作家さんに共通することは、
昔の楽曲〜現在のヒットチャート楽曲まで幅広い曲を聴き、
曲作りのネタとして、研究・蓄積しているということです。

これは才能やセンスに関係なく実践できますし、
手法さえわかってしまえば、どんどん自身の楽曲に取り入れていくことが可能です。

では具体的にどのような研究を行えば良いのでしょうか?

最もお勧めしたいトレーニング法は「楽曲のコピー」です。

トレーニングの王道「コピー」

Ear

ヒットした曲には、それ相応の理由があります。

  • メロディー/コード進行
  • 楽器の音色
  • 楽曲の構成や展開
  • リズムパターンやグルーブ

など、様々な要因が入り混じっていますが、一定の法則性を見出すことは出来るはずです。

もちろん、鍵となるメロディやフレーズをそのまま使う(=盗作)はNGですが、
流行のサウンドやリズム、進行などを研究し、自分なりに取り入れることは、
誰もが行っていることであり、むしろ必須のプロセスといえます。

トレーニングの際は楽曲をただ聴くのではなく、実際にコピーして打ち込んでみる方が、
はるかに身につきます。

コピーのやり方がわからないという方は、以下の「耳コピ講座」シリーズもご参照ください。

楽曲をフルでコピーしていくのも良いですが、より多くのエッセンスを吸収するためにも
ポイントを絞り込んでいくことをお勧めします。

コピーするポイントの絞り込み方

Todo

まず、最近の曲やヒット曲、あるいは自分の好きな曲を聴きながら、
「カッコイイ/気持ちいい」「新しい/珍しい」「最近よく耳にする」など、
少しでも気になった点、感じたことををメモしていきます。

  • アーティスト/曲名/秒数/どう思ったか?

ご自身で確認するためのものですので、この位シンプルでも十分です。

後はメモを見ながら、その部分のみをコピーして検証するということを繰り返します。
コピーした後は、必ず検証結果をメモしてください。

例えば、

  • 複雑なリズムに聴こえるが、ハイハットを8分音符で鳴らすことで安定感を出している
  • ベースにリバーブをかけ、いきなり残響をカットして独特の音色を作っている

など、実は様々な仕掛けをしていることに気がつくはずです。
これは、ただ漫然と聴いているだけではわからないことです。
また、たとえ完全なコピーが出来なくても、新たな発見や工夫すべきポイントが必ず見つかります。

以下の記事カテゴリーは、このようなプロセスを経て生まれたものです。

こういった内容を、自分の観点で発掘し、メモとして残していって下さい。
併せて「どういう時にその手法が使用されていたか?」を把握しておくと、制作時にとても役立ちます。
数を重ねるうちに作業時間が短くなり、どんどん引き出しが増えていくことでしょう。

どうしても苦手なものや気に入らないものまで吸収する必要はありません。
ただ、好奇心を持って楽曲を聴き、新しいものを柔軟に取り入れていこうという姿勢は、
ぜひ持っておいていただきたいと思います。

自分の得意分野や持ち味はある程度固めつつも、そこから広いスタンスを持ち続け、
現状に止まらないことです。

それが結果的に、クライアントに喜ばれ、リスナーにエンターテイメントを提供するという
プロとしての仕事に繋がっていくのです。

6回に渡りお送りしてきた「楽曲コンペ採用への近道」いかがでしたでしょうか?
プロの作家としてコンペを勝ち抜いていくためには、曲作りのセンスやテクニック以外にも、
様々な要素があるということがお分かりいただけたかと思います。

才能あるクリエイターが、このような知識を持っていないために、
花開くことが出来ずにいるのは、音楽業界全体にとっても惜しいことです。

このシリーズが、皆様の夢の実現と、それによる業界発展の一助となれば幸いです。

記事の協力 前川 敬(Kei Maekawa)

Grane

株式会社Grane(グラネ) 代表取締役
HP:http://grane-inc.com(作家を随時募集中です)

略歴:2005年より音楽業界にて作家マネジメントを担当し、2014年より独立。
現在まで多くの音楽作家の発掘・育成・マネジメントを行い、現在に至る。

マネジメントを担当した主な作家:
STY・HIRO・小田桐ゆうき・Carlos K.・若田部 誠・Hiroki Sagawa・鈴木まなかetc