Logic Pro 10.7.5 注目の新機能まとめ
Logic Pro 10.7.5は、ゲインツールやMIDIプラグインの記録、32bit floatオーディオファイルの読み込み対応など、多くのユーザーが待望していた機能を搭載した重要なアップデートです。メトロノームなしの演奏テンポの自動最適化、ネストされたトラックスタック、Ableton Link対応など、制作の自由度と効率が大幅に向上します。これらの機能はすべて無償で提供され、ボーカル編集から生演奏の取り込み、マルチトラック制作まで、様々な制作シーンで実践的な価値をもたらします。
待望の機能が複数追加された無償アップデート

先日公開された「Logic Pro 10.7.5」
無償のマイナーアップデートという位置付けですが、多くのユーザーが待ち望んでいたであろう機能が複数含まれている有意義なアップデートです。
ここでは押さえておきたい注目の新機能を厳選してご紹介していきます。
ゲインツール
他DAWには搭載されており、Logicには無かった機能が「ゲインツール」という形で搭載されました。
各オーディオリージョンに対して個別にゲインを調整できます。

「ゲインツール」を選択するだけです。

このようにオーディオリージョンを上下ドラッグすることで個別のゲイン調整が行えます。
ボーカル編集にも重宝しますね。
リージョンを複数選択して操作すると一括調整も可能です。
MIDIプラグインの記録
アルペジエイターやコードトリガーなど、MIDIエフェクトで生成されるMIDI演奏の内容をMIDIデータとしてレコーディング可能になりました。
例えばアルペジエイターMIDIエフェクトを使用し、白玉(伸ばしで)レコーディングを行った場合。

通常はレコーディングされるMIDIノートにアルペジエイターの結果が反映されません。
あくまで出力されるサウンドにアルペジエイターの効果が表れます。
しかし、今回の機能を使用すると

このようにアルペジエイターの結果が反映されたMIDIノートが記録されます。
方法は簡単です。

「MIDI FX」スロットをクリックして、「MIDIをこのトラックに録音」を有効にするだけです。
※目的のMIDIプラグインを立ち上げた後に当機能を有効にする必要があります。
32bit floatのオーディオファイル読み込みに対応
これも多くのユーザーが待ち望んでいたと思います。
32bit floatのオーディオファイルの読み込みを行えるようになりました。
32bit floatとは?
YouTube動画への質問と回答の抜粋
Cubase10を使っているものです。 DAW内の内部処理は32・64bitfloatのどちらで行われているのでしょうか。 また、確認する方法はあるのでしょうか、、?
現在は64bit float で制作を行っています。 確認、変更の場所は画像部分です。変更後はCubaesの再起動が必要となります。 https://app.box.com/s/qx87iplpf5jkb9817xh4a5dqfw83r51d
2mixのオーディオミックスダウンは32bitfloatで書き出した方が良いのでしょうか?またマスタリング時のプロジェクトも32bitfloatにした方が良いのでしょうか?宜しくお願いします。
32bit floatで書き出すかどうかは、その後どのような処理を行うかによります。特に処理はなくどこかへアップロードすることが目的ならば、そのサイトのガイドラインに従った形式とします。後に再度読み込んで処理を行う場合、32bit floatとします。 マスタリングについては何を使うかによりますが、内部処理32bit floatのDAWなどを使う場合、プロジェクトも32bit floatの設定にした方がいいです(読み込み時に変換が起きないようにするため)。
まったく意識してなかったので、(何となく32bitにはしていたものの) 凄く参考になりました。 僕は、動画サイトに上げる等の目的で、 マスターにAPOGEEのUV22HRを挿入してから、 なんとなく44.1kHz 16bit (にしないといけないだろうなあ程度の考え)で書き出していますが、 この行動は何も問題ないでしょうか。
一般的な投稿サイトなどは44.1kHz 16bitで問題ないと思います。 心配ならばそのサイトのガイドラインをお読みください。 特に指定もなく、これまで問題が起きていないならそれでOKです。 以上、宜しくお願いいたします。
32bit float48KHzよりも24bit 96KHzのほうが音質は良いですか? 48KHz × 32bit × 2ch = 3072 kbps 96KHz × 24bit × 2ch = 4608 kbps 数値だけ見ると24bit 96KHzのほうが音質的には良さそうに思えますが、上記のようにbitの数値は低くてもサンプリングレートの数値が高ければ音が良くなるということもあるのでしょうか? また、上記の24bitと32bitの場合、24bitよりも32bitでソフトシンセ(エフェクトをかけたりフェーダーを動かしたりしたソフトシンセのトラック)のwav書き出しを行なったほうが音質的には良いですか?(劣化する確率は低いですか?)
音質というのは単純にビットデプスとサンプルレートで掛け算できるものではありませんので、単純に比較はできません。サンプルレートを高くすると記録・表現できる音域が広がります(通常可聴範囲外とされる超高音域ですが)。ビットデプスが大きいと通常音量の解像度が高くなりますが、そもそも音量操作をしなければ、32bit floatも24bitも音質に差はありません。 32bit floatの最大の利点は、何と言ってもトラック内ではクリップしない、音量を小さくしてもピット落ちしない、という点です。なので、書き出し時には32bit floatにしておくに越したことはありません。 ここを意識しておけば、ミックス時に様々な融通が利き、書き出し時にも失敗しない、というのが、この動画のポイントです。
わ、わからない…パソコンの負荷を下げるために16bitの設定で運用したいのですが、エフェクターやフェーダーを使用する場合は32bitでなければいねいのですか?わからない…
プロジェクトの設定を16bitにしても、パソコンの負荷は変わりません。一般的なDAWは、設定に関係なく常に32bit floatで内部処理を行っています。プロジェクト設定で決めているのは、録音ファイルやインポトーするファイルの保存形式です。
とても有意義な視点でありがとうございました。 ひとつ、プロジェクト設定が24ビットでもソフトシンセから書き出す場合は32bitFloatでよいってことでしょうか?24なら24であわせないといけないというて頭がありまして。プロジェクト設定が24でもファイルが32でもOKなんですかね?
32bit floatでOKです。サンプルレートとは違い、混在することで問題が起きることはありません。 プロジェクト設定が24bitでも、扱うファイルが24bitでも、DAWの内部処理は常に32bit floatで行われています。同様に、ソフトシンセのサンプル解像度が24でbitあっても、エフェクトやフェーダーを通ったら32bit floatになります。その方が音量操作による劣化が発生しないからです。書き出してインポートする際にそれと同じプロセスとするためには、32bit floatとしておく必要があります。
最近は32bit floatのファイルを扱うことが多くなってきていますので、その恩恵はかなり大きいはずです。

32bit floatのオーディオファイルを読み込んだ際に16bit/24bitに変換されることなく使用できます。
1つ注意があり、Logicで32bit floatのレコーディングを行うことはできません。
あくまで読み込みということです。
ここは残念ではありますが、今後のアップデートに期待しましょう。
メトロノームを使用していない演奏のテンポをコントロール
メトロノームを使用していない演奏に対してテンポを最適化できる機能です。
かなりの精度で可能性を強く感じました。

上部の空白を右クリックして「コントロールバーとディスプレイをカスタマイズ」を選択します。
表示される項目から「フリーテンポを記録」を有効にします。

あとは「フリーテンポレコーディング」をクリックして演奏を行うだけです。

レコーディングを停止するとこのような選択肢が表示されます。
上から
- レコーディング内容のテンポを割り出して楽曲テンポを変更する
- レコーディング内容の平均テンポを割り出して楽曲のテンポを変更する
- レコーディング内容を楽曲のテンポに合わせる
- 演奏/楽曲共にテンポを変更しない
1番目の「レコーディング内容のテンポを割り出して楽曲テンポを変更する」を選択してみました。

このように演奏内容に合わせてテンポが変更されました。
その精度は優秀です。

これは生演奏(オーディオレコーディング)の際も使用できます。
ご自身の演奏にLogicのテンポが同期することになりますので、生演奏のノリを活かして他トラックの打ち込みが行えます。
サウンドルーティングの自由度が向上した「トラックスタック」
各トラックのサウンドをまとめて管理できる「トラックスタック機能」
とても便利で使用者も多いかと思います。
当バージョンから、トラックがまとめられたトラックスタックに対して更にトラックスタックを行えるようになりました。

例として複数のキックトラックを「Stack」でまとめたとします。

このようにスタックとしてキックがまとまりました。

キックと同様にベーストラックをまとめます。

これら2つのスタックをまとめることができるという機能です。
方法は通常のスタックと同様に、対象を選択してスタックを選択するだけです。

このようにスタックトラックがまとまりました。
- 同系統のドラムキットをまとめた後、ドラムトラック全体としてまとめる
- メインボーカルとコーラスを個別にまとめた後、ボーカル全体としてまとめる
このように活用の幅は広いです。
Ableton Linkへの対応
遂にLogicもAbleton Linkに対応しました!
Ableton Live Link機能 動画解説
Ableton Linkに対応しているソフト/ハードとWi-Fiで再生を同期させることができます。

上部の空白部分を右クリックして「コントロールバーとディスプレイをカスタマイズ」を選択します。
表示される項目から「同期」を有効にします。

表示される同期アイコンをクリックして「Ableton Link」を選択するだけです。
フリーセッションやイベントなどでも大活躍します。
追加コンテンツの強化
今回も追加音源/プリセット/ループが用意されています。
もちろん全て無償でダウンロードできますので、積極的に活用していきましょう。

上メニュー「Logic Pro」 → 「サウンドライブラリ」 → 「利用できるすべてのサウンドをダウンロード」
これで追加コンテンツのダウンロードが開始します。
すべてのダウンロードにはかなりの時間を要する可能性がありますが、バックグラウンドでダウンロードを行いながら楽曲制作を続けることができます。
いかがでしたでしょうか?
個人的には「ゲインツール」と「32bit floatのオーディオファイルに対応」という点に歓喜しました。
有意義なアップデートを無償で提供してくれるAppleに感謝ですね。
皆さんも是非、新機能を試してみてください!
よくある質問
Q1. Logic Pro 10.7.5のゲインツールはどのように使用しますか?
ゲインツールを選択してオーディオリージョンを上下にドラッグするだけで、個別にゲイン調整が可能です。複数リージョンの選択で一括調整もできます。他DAWと同様の使い方でボーカル編集に重宝します。
Q2. 32bit floatオーディオファイルを読み込む際に、ファイル形式の変換は必要ですか?
いいえ、変換は不要です。32bit floatのままLogicで使用できます。ただしLogicでのレコーディングは16bit/24bitのみで、読み込みのみの対応となります。
Q3. Ableton Linkを使用するにはどのような設定が必要ですか?
コントロールバーをカスタマイズして「同期」を有効にし、同期アイコンから「Ableton Link」を選択するだけです。Wi-Fi接続でAbleton Link対応機器と再生が同期されます。
Q4. トラックスタックのネスト化(スタック内のスタック)のメリットは何ですか?
ドラムキット全体やボーカル全体など、複数の関連トラックを階層的に整理できます。トラック数が多い場合の管理性が向上し、制作効率が大幅に改善されます。
Q5. MIDIプラグインの記録機能を使用するための手順は?
目的のMIDIプラグイン(アルペジエイターなど)を立ち上げた後、MIDIFXスロットで「MIDIをこのトラックに録音」を有効にするだけです。







