パラレルコンプレッションでサウンドコントロールの幅を広げる
コンプレッサーのドライ/ウェットを組み合わせたサウンドメイキング

ミキシング時に多用する「コンプレッサー」
音量の大きな部分を低減させ、小さな部分との差を少なくするというエフェクトです。
 トラック音量のバラツキが少なくなると、安定感が増し、結果的に楽曲クオリティの向上に繋がります。
多くのトラックに対して、このコンプレッサーを適用していくことになります。
そこで問題となるのが「コンプレッサーのかかり具合」です。

多くの楽器で音量が大きいのはアタック部分です。
 もちろん、この部分がコンプレッサーによる圧縮の対象範囲となります。
しかし、このアタック部分を低減させると、音抜けが悪くなってしまうため、
 「サウンドが前に出てこない」「サウンドが暗くなる」などの弊害が出てきます。
この問題を解決するのが「パラレルコンプレッション」というテクニックです。
 別名ニューヨークコンプレッションとも呼ばれます。
コンプレッサーが適用されたサウンド(Wet)と、元々のサウンド(Dry)をミックスすることで、
 サウンドを繊細にコントロールすることができます。
それでは解説へ入っていきます。
パラレルコンプレッション 解説動画
パラレルコンプレッションの適用方法
ここでは、最も簡単な手順を解説していきます。
まず、コンプレッサーを適用するトラックを複製します。
次に、片方のトラックへコンプレッサーを適用しWetとして使用します。
 コンプレッサーを強めに適用することがポイントです。
- Attack : 早めに設定し、しっかりピークを抑えます
- Release : こちらも早めに設定し、余韻を強調します
- Ratio : 圧縮比率を高めに設定します
- Threshold : コンプレッサーが深くかかるよう低めに設定します
準備はこれだけです。
 あとはコンプレッサーを適用していないトラック(Dry)とのバランスをとっていきます。
- Wetを上げていくと、太くラウドなサウンドになっていきます
- Dryを上げていくと、よりナチュラルな感じに仕上がります
アタック感をしっかりと残しつつ、コンプのまとまり感も得られますので、
 様々なバランスで試してみてください。
このような記事も読まれています
- サイドチェインを使用したグルーブテクニック- サイドチェインサウンドはとてもクセが強いため、独特のニュアンスが出ます。このクセを隠し味的に使用することで、簡単にナチュラルなグルーブを作ることができます。 
- Solid Bus Comp バスコンプを使用してサウンドをまとめる- 複数のトラックを1つのトラックにまとめ、そのトラックに対して、コンプレッサーを適用します。統一感、まとまりのあるサウンドに仕上げることができます。 
- コンプレッサーとオートメーションの順序- ゲインリダクションを考慮し、エフェクトの順序をルーティングするテクニックです。特にボーカルに対し自然なコンプレッサー効果を得ることができます。 
- コンプレッサー基礎編_なぜ音圧が上がるのか?- サウンドをまとめて、音圧を上げることができるコンプレッサーの概要と仕組みを解説しています。 




 
  
 






 
  
  
 
 
  
  
  
  
 