【2MIX分離】LALAL.AI vs iZotope RX 10 楽曲からボーカルや各楽器への抽出力を比較・検証

Author: sleepfreaks

今回は以前ご紹介した、2MIXの音源を、ボーカルとオケに分離したり、ドラム、ベースなどの楽器のステムに分離してくれるサービス、LALAL.AIについて、再び取り上げます。
というのも、その内部のエンジンがパワーアップし、更に精度の高い分離が可能になったということで、旧版との比較や、同機能を持つiZotope「RX 10」のMusic Rebalanceとの比較を行い、検証してみよう、というのが今回の主旨となります。
前回の動画で比較を待望するコメントもいただきましたので、それにお答えする形で企画しました。
面白い結果になりましたので、ぜひ最後までご覧ください。

高精度2MIXパート分割サービス「LALAL.AI 」 動画

機能とプランのおさらい

まず、LALAL.AIの機能や使い方について、簡単におさらいしておきましょう。旧版とほとんど変わっていないので、詳しくは前の紹介動画をご覧ください。

LALAL.AIは2MIXの音声をパート別に分離するWebサービスで、この画面上に分離したい2MIXファイルをドラッグ&ドロップすることで、すぐに解析が始まります。

解析が終わるとプレビューを聞くことができます。
現在は、ボーカルとオケとなっていますが、他の分け方に切り替えることもできます。

プレビューに満足したら、ダウンロードするのですが、この画面は現在、有料での利用登録を行なった状態となっています。
無料トライアルももちろん可能ですので、詳しくは以前の動画をご覧ください。

無料では10分間分のダウンロードが可能ですが、それを使い切って継続利用したい場合、有料パックを購入することとなります。
現在のラインナップはこのようになっており、90分処理できるライトパックが1,900円、300分処理できるプラスパックが3,200円となっています。

旧版、そしてiZotope RX 10との比較

さてここからは、新しくなったLALAL.AIの実力を検証していきたいと思います。
旧LALAL.AIでも使用した楽曲で進めていきますので、まずは2MIXの状態を確認しておきましょう。

▶︎2MIX

これについて、新旧LALAL.AI、そしてiZotope RX 10によるパート分離を行い、比較していきたいと思います。

ボーカルの分離

まずはボーカルとオケの分離です。旧LALAL.AIから聞いてみましょう。

▶︎旧LALAL.AI ボーカル

▶︎旧LALAL.AI ボーカル以外

続いて新LALAL.AI。

▶︎新LALAL.AI ボーカル

▶︎新LALAL.AI ボーカル以外

最後に、iZotope RX 10。

▶︎RX 10 ボーカル

▶︎RX 10 ボーカル以外

いかがでしょうか?
元々分離精度は高いですが、旧から新への進化は、かなりのものがありますね。ボーカルのクリアさが全然違うため、比較的静かなオケへの移植もしやすいかもしれません。
新のオケは、Aメロなどの静かな部分もかなりの精度でボーカルが消えており、新しいボーカルをミックスしてもほとんど気にならないレベルではないか?と思えるほどです。

一方RXは様々な機能の中の1機能ということもあって、専用に開発されたLALAL.AIに対してやや負けてしまっていることは否めませんね。ただこちらはバランスを変えることが目的なので、単純に比較できないというところはあります。

ベースの分離

次はベースの分離を行ってみました。

▶︎新LALAL.AI ベース

▶︎新LALAL.AI ベース以外

▶︎RX 10 ベース

▶︎RX 10 ベース以外

ちらも比較的精度良く分離しているように聞こえますが、少し傾向が違いますね。
LALAL.AIはしっかり低域にフォーカスし、定位もセンターに絞り込んで抜き出している感があります。
一方でRXは、ベースにやや高音部分が混ざり、定位も広がっているように聞こえます。

この辺りはもう少し様々な楽曲を試してみなければ勝敗はわからないと感じました。
というのも、それぞれのAI技術が、どのような基準で「このフレーズはベース」と判断し抜き出しているのか、はっきりしないからです。
ベースの低域部分は周波数帯が絞られるため抜き出しやすいと言えますが、音色によってはかなり倍音成分が多いベースもあります。そういったものについては、もしかしたらRXの方がよく抜き出すのかもしれません。

同様に定位も、エレキベースであればセンター定位が基本ですが、シンセベースは広がりを持っているものもあります。
この辺りを含めてしっかり見極めて分離しているのかどうかは、これだけではわからない、と考えられます。

ドラムの分離

続いて、ドラムです。

▶︎新LALAL.AI ドラム

▶︎新LALAL.AI ドラム以外

▶︎RX 10 ドラム

▶︎RX 10 ドラム以外

ドラムは面白い結果になりました。
この曲のドラムの特徴は16分で鳴り続けるハイハットなのですが、RX側はこれをしっかり拾おうとして、しかし他の楽器の音もくっついてきてしまってるように感じます。
一方でLALAL.AIは主要なアクセントは拾っていますが、かなり切り捨てている部分も多いように感じます。ハイハットよりもキックやスネアのクリアさに重点を置いているのかもしれません。


以上、今回は新しくなったLALAL.AIをご紹介し、その実力を比較しながら検証してみました。
結果としてはやはりボーカル分離は同系統のサービスの中でもかなり高いレベルと感じました。他の分離も、他と比べると独特の傾向はありますが、現在の技術レベルの最先端には達していると思います。
安価で気軽に使えるのも嬉しいポイントですね。
気になった方は、ぜひ試してみてください。




DTM解説情報をつぶやくTwitterのフォローもお願いいたします。