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楽曲と声の分離ツール「LALAL.AI」がV4にアップデート|その音質・精度を徹底的に検証!

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AIが一新!さらに高音質な音声分離が可能に

先日、アップデートされたボーカルリムーバー/音源分離サービス「LALAL.AI」

「v4 Orion」という次世代AIモデルを使用し、これまで以上に高音質な音声分離に対応しています。
当記事では異なる楽曲を用いて、過去のバージョンと比較しながら進化について検証していきます。

LALAL.AI動画

LALAL.AIとは

まず始めに、今回のアップデートからLALAL.AIに触れる方に向けて、どのようなものなのかを簡単に説明します。
LALAL.AIは、AIを使用した音声分離サービスを提供しており、完成された2ミックスの音源ファイルから、大きく下記の二つの要望を満たしてくれます。

  • ボーカルを含め個別のトラックを分離
  • マイク録音時に含まれるノイズを除去

使い方はシンプルです。

対象となるmp3やWavなどの音源ファイルをドラッグ&ドロップし、分離したいトラックタイプを選択するだけで自動で処理され、ダウンロードが行えます。

また、ブラウザ上で使用するwebアプリだけではなく、Mac/Windows用のデスクトップアプリ、iOS/Android用のモバイルアプリもリリースされていますので、様々な環境での使用も可能となっています。

過去バージョンとの音質比較

ここからは実際に楽曲を用いて、新バージョンのv4 Orionが過去バージョンのv3 Phoenixに対してどのくらい音声分離の精度が向上したのか、その結果を検証します。

まず分離できるサウンドのタイプとして【ボーカル/ドラム/ベース/ノイズ分離/アコースティックギター/エレキギター/ピアノ】が用意されています。

その他にベータ版で【シンセ/ストリング/ブラス】も用意されています。

ただ、現時点で新バージョンのv4 Orionとしては【ボーカル/ノイズ分離】のみに対応しているため、今回はボーカル分離とノイズ分離について検証していきたいと思います。

検証に入る前に、最初の手順の注意点としてファイルを読み込む際にはv3、v4のどちらのAIモデルを使用するかについて選択する箇所がありますので、必ず確認するようにしましょう。

それでは実際に分離を行ってみますが、まずは元の楽曲をご確認ください。

▶️元の楽曲

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したボーカルトラック

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したボーカルトラック

v3ではボーカルにパーカッションの成分も含まれてしまっていますが、v4では声のみが抽出されていることがわかります。
別の箇所も聴いてみましょう。

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したボーカルトラック

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したボーカルトラック

v3ではSEが含まれていますが、v4ではしっかりと分離され声の質感自体もよりクリアになっています。
続けてオケ側も確認してみましょう。

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したオケトラック

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したオケトラック

v3ではオケにボーカルが残って聴こえていた箇所がありましたが、v4では綺麗に取り除かれていますね!

なお、音声分離結果の音源は購入する前にプレビューで確認することができます。

プレビューは1分間のみ再生ができ「ファイル全体を処理する」を選択すると所有するクレジットを消費し曲終わりまで処理が行われます。

ファイルとして保存する際は「すべてをダウンロード」、または個別ファイルのダウンロードボタンをクリックします。

次に、タイプの異なる楽曲も試してみます。

▶️元の楽曲

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したボーカルトラック

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したボーカルトラック

v3で聴こえていたピアノが、v4ではしっかりと分離されています。
サウンドそのものについても、v3では他トラック成分が混入してかざらついた質感に聴こえましたが、v4ではよりクリアな印象に感じられました。
オケも聞いてみましょう。

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したオケトラックク

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したオケトラック

v3ではストリングスがボーカルと一緒に分離されてしまっているからか音域が低い箇所では聞き取りにくいのに対し、v4ではやはり分離精度の向上が伺えます。

最後はボーカルにリバーブが強く含まれる楽曲で検証します。

▶️元の楽曲

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したボーカルトラック

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したボーカルトラック

v3ではところどころで混在していたハイハットが、v4ではしっかりと分離されています。
これまでの楽曲と同様に、オケも聴いてみましょう。

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したオケトラックク

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したオケトラック

オケの方でもボーカル成分が残っているv3に対し、v4では僅かにしか聞き取れない程度に分離されているのがわかります。

異なった3曲を試してみた結果、今回のアップデートにより曲調に関わらず分離精度が向上したといえそうです。
リミックス素材やカラオケデータの制作になどに置いて、より高いクオリティーで利用できる可能性を感じました。

ノイズ除去の検証

ここからは、ノイズ分離について検証していきたいと思います。
ノイズのある環境でナレーションを収録し、ノイズ分離の処理を行いました。
ノイズがどこまで除去されているのかについて、聴き比べてみましょう。

▶️元の音声ファイル

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したナレーション

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したナレーション

▶️旧バージョン(v3.Phoenix)で分離したノイズ音声

▶️新バージョン(v4.Orion)で分離したノイズ音声

ノイズを除去した声のみの音データを聴いてみると、すでに精度の違いを感じます。
また、ノイズのみの音データの波形を見たとき、一定音量のノイズに対してv3では声が含まれている箇所がより変化していますがv4では変化が小さいことから、大きく進化したことが見て取れます。

今回はv4に対応したボーカル、ノイズ除去について検証とともに紹介しました。
その他の各トラックタイプについては現段階で従来のAIモデルのみが採用されていますが、このv4の進化が今後それぞれのトラックに適用されより精度が向上すれば、大きく使用できるシーンも増えていきそうですね。

今後のアップデートに期待しましょう!

決済について

続いては、価格や決済について確認していきましょう。

決済プランには【ライト/プラス/プロ】の3種類が用意されており、さらにより多くの使用を想定したHigh Volumeプランもあります。
またユーザー登録時には10分間分のクレジットが追加されますので、ひとまず精度を試してみたいという方は無料で試すこともできます。

これらの各プランは、分離などの処理ができる時間のみが異なり、音質や使用できる機能に違いはありません。
また購入方法もサブスクリプションではなく必要分のクレジットをその都度決済する形なので、不要に支払いを行う必要がなく安心と言えます。

どのプランが適しているかは使用量によって異なります。
例えば、ライトプランでは一回の購入で90分分の音声ファイルを使用することができるので、5分の楽曲であれば18回抽出や分離が行えるということになります。

さらに上位のプランであれば、同じ分だけ使用した場合のコストが下がる設定になっているので、沢山使用する予定がある場合は上位のプランを選択した方がお得といえます。

また現在は、プラスとプロでセールが行われていますので、沢山使う予定のある方はお早めに購入することをお勧めします。



新しくなったLALAL.AIについて解説を行なってきましたが、いかがでしょうか?
アップデートによる分離精度の向上を体感できましたし、今後の更なる進化が楽しみになってきました。
現時点でアナウンスされている他トラックでのv4モデルの実装や、VSTプラグインへの対応など、引き続き動向をチェックしていきたいと思います。

記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa

宮川 智希

15歳でシンセサイザーの魅力に惹かれDTMを始める。
20歳よりサポートキーボーディストとして大久保伸隆氏(Something Else)を始め多くのステージで活動する傍ら、活動拠点を制作へとシフトする。

その後、音楽制作ユニットL75-3を結成し、同人、商業両面で音楽作家として活動を開始。

2013年より声優原由実氏への楽曲提供を皮切りに、永井朋弥氏(+Plus)楽曲で編曲、映画での劇伴制作、イベント内でのBGM制作と様々な制作の現場に携わる。

同人活動ではVocaloidを用いた楽曲を使用し、“Twilight of Small Planet”がニコニコ動画カテゴリーランキング5位を記録。

その他、docomo Xperia feat. HATSUNE MIKU内オフシャルコンテンツや東京IT新聞などのメディアに掲載される。

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