人工知能の作曲支援ソフト「Orb Composer 1.5」新機能解説

Author: sleepfreaks

より使いやすくなり生まれ変わったOrb Composer

Orb1.5

今回はバージョン1.5で追加された新機能を解説していきます。
まずOrb Composerのみでオリジナルのメロディにアレンジを加えたトラックを作成しました。
一度お聴きください。

殆どのパートをAIが生成した内容を使用していますが、自動でMIDIフレーズを作成してくれるOrbエンジン、コード進行を生成するChord Progressionエンジンが一新され、従来よりも音楽的に進化を遂げています。

Orb Composer 1.5 解説動画

製品URL : https://bit.ly/33msN9C

  1. 1ORB COMPOSER 使い方 概要・設定編
  2. 2ORB COMPOSER 使い方 楽曲作成編
  3. 3ORB COMPOSER 使い方 応用編
  4. 4ORB COMPOSER 1.5 新機能解説
  5. 5進化したOrb Producer Suiteの使い方
  6. 6Orb Producer Suite 2.0 新機能・使い方

VST/AUプラグインが使用可能に

アップデートの目玉機能として、当バージョンより付属の音源やVSTプラグインがOrb Composer内で扱えるようになりました。
これにより従来は別途DAWがなくては使用が難しかったOrb Composerが単体で使用が可能となり、気軽に制作に取り入れることができます。

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音源を立ち上げるためには、任意のトラック名をクリックし[Plugin Maping Settings]というウィンドウが表示させます。

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デフォルトでは[Orb Piano]という付属のピアノ音源が立ち上げられていますが、他の音源に置き換える場合は右側の[VST Explorer]からお持ちのプラグインを[VSTi]のゾーンへとドラッグします。

Orb1.5-3

立ち上げられているプラグインの中で使用したいものを選択するためには、電源ボタンを点灯させる必要があります。
新規プラグインを立ち上げた際には自動でOrb Pianoがオフになりますが、鳴らしたい場合は再度電源をオンにするといった形です。

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また、ウィンドウ左下の[Use Orb Plugins]のチェックを外した場合、全てのトラックで用意されているOrb Pianoやドラム音源が停止されます。

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右側のエフェクトではインストゥルメント同様にエフェクトプラグインをドラッグで読み込ませることが可能です。

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もちろん各トラックの音量設定や、ソロやミュートといった基本的なオーディオ制御も可能です。

MIDIエディター機能の追加

今回のアップデートもう一つの目玉となるのは、MIDIエディター機能です。
従来ではOrb Composerで生成したMIDIデータの内容を細かくエディットを行うことはできませんでしたが、当バージョンからは通常のDAW同様ピアノロールでのエディットが可能となりました。
これによりAIにより生成された演奏内容を視覚的に確認し、さらに自分好みの内容へとエディットを行うことができます。

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MIDIエディターの表示方法は、ウィンドウ右上の[MIDI editor]をクリックするだけで簡単です。
試しに何かフレーズを生成してみます。

AIで生成されたMIDIデータの内容が表示されノート情報だけでなくVelocity, Modulation Wheel, Sustainに対しても内容を即座に確認できます。

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使用する音源によっては他のコントロールチェンジを使用したい場合もあるかと思います。
その場合は[Add CC]からコントロールチェンジのナンバーを入力することで追加も可能です。
例えばCC10を追加したい場合は、表示されるダイアログに[10]と入力すればコントロールチェンジの10番が追加されるといった形です。

Quick import機能

続いてはQuick importというMIDIファイルをインポートする機能をご紹介します。

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これまでもオリジナルで作成したメロディなどのMIDIファイルをインポートすることはできましたが、予めBlockを用意した上でこちらのボタンよりインポートを行う必要がありました。

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当バージョンではこちらのQuick importをクリックし、任意のファイルをインポートすることでBlockを自動で作成してくれるようになりました。
キーやコード進行などの設定をMIDIの内容から判断してくれる為、作業の簡略化が期待できます。

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インポート時にこのようにテンポや拍子が意図と異なる結果となる場合もあります。その時はBlock内のこちらからテンポ、こちらから拍子の設定を行います。

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またBlockの小節数は[Block Type]内の[Number or bars]から指定が可能です。

MIDIファイルのインポート時の注意点

Orb Composerで読み込むことができるファイルの拡張子は[.midi]ではなく[.mid]となります。
DAWによっては、MIDIエクスポートの拡張子が.midiとなっている場合がありますので、その場合は手動で拡張子を変更することが必要です。

より分かりやすくなったインターフェイス

インターフェイスについても従来のものよりも使いやすい形へと変更されています。

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Orb Composerの各Clipには[Roll]と呼ばれる役割が確認できます。

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例えばこちらのトラックなら現在はアルペジオとなっていますが、他のRollへと変更を行う場合はクリップ右側のこちらからClipの設定画面へとアクセスします。

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表示されたウィンドウの上側に各Rollが表示されていますので、変更したいものを選択するだけで切り替えが可能です。

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この時インポートしたMIDIのフレーズを読み込ませるためには、こちらの[User Melody]を選択します。
ウィンドウ内にはフレーズの再生成を行うボタンも表示されている為、フレーズのイメージが異なる場合は気に入ったものが作られるまで何度も変更が可能です。

ドラム用ステップシーケンサー「DRUM Editor」の追加

ドラムトラックではClipの設定画面表示させた場合、ステップシーケンサーが表示されます。

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この中でリズムパターンを手動で打ち込むことも、こちらのボタンをクリックすることで自動でパターンを生成させることも可能です。

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こちらもこの機能を使い、気に入ったものが出るまで繰り返しクリックするという使い方も可能です。

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もちろん、ご自身で打ち込みを行うことも可能です。

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フレーズを初期化したい場合は、このボタンをクリックすることでフレーズの初期化が行われます。

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現在は[Main Pattern]タブが選択されていますが、[Transition Pattern]ではフィルとしてBlock終わりの部分で使用するパターンを打ち込むことができます。
こちらは自動生成機能はなく手動で打ち込む必要がありますが、このように演奏内容が即座にブロック終わりの1小節で反映されます。


今回のバージョンアップでは、従来のバージョンを使用していた既存のユーザーに求められていた機能が多数追加されており、より扱いやすいものへと進化を遂げていると感じました。
アレンジのヒントを得る為のアシストツールとして、またAIでの作曲そのものに興味がある方などはトライアル版も用意されていますので、この機会に是非お試しください。

製品URL : https://bit.ly/33msN9C



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記事の担当 宮川 智希/Tomoki Miyakawa

Sleepfreaks DTM講師 宮川 智希-1
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