目次を見る

Neutron 5が登場!Phaseモジュールで低音域の音痩せを防ぐ!

Phaseモジュールが低音ミックスの問題を解決する理由

iZotopeからNeutron 5が新たにリリースされました!
今回は、Neutron 5の新機能の中でも特に注目すべき、Phaseモジュールについて詳しく解説していきます。

Phaseモジュールの動画/音源比較

まずは、Phaseモジュールの使用前と使用後の音源を聴いてみましょう。
※低音が聴こえるイヤホンやヘッドホンでの試聴を推奨します。

  • A : 適用前 / B : プリセット適用後

Phaseモジュールを使用することで、低音の重みやパンチ感が改善されています。
このモジュールは、位相干渉を解消し、音質全体の明瞭度を向上させるための強力なツールです。
キックやベースなど低音域が重要なトラックを制作する際、それぞれ単体では良い音なのに、ミックスすると低音がスカスカに聞こえてしまう…そんな経験はありませんか?
これは「位相干渉」と呼ばれる現象が原因かもしれません。

位相干渉とは?

そもそも位相干渉とは何でしょうか?
音は波形で表され、この波形の向きを「位相」と呼びます。
位相が異なる音が重なると、互いに干渉し合い、一部の周波数が打ち消されることで音が弱くなってしまう現象が起こります。
これが「位相干渉」です。
位相干渉は特に低音域で顕著に現れ、キックやベースの存在感を大きく損なう可能性があります。

Phaseモジュールの使い方

Neutron 5のPhaseモジュールは、位相干渉を自動検知して最適化し、クリアでパワフルな低音を簡単に実現します。

まず、キックとベースなど、位相干渉が気になる2つのトラックを用意します。
一方のトラックにNeutron 5をインサートし、Phaseモジュールを起動します。

もう一方のトラックをサイドチェイン入力としてPhaseモジュールに送ります。

Learnボタンをクリックするだけで、自動的に位相が調整されます。

手動調整でより精密に

さらに細かく調整したい場合は、表示設定からメイントラックとサイドチェインの両方の波形を表示します。

「Rotation」は波形の向きを、「Delay」は波形のタイミングを調整するパラメーターです。
これらを組み合わせて調整することで、波形同士の位相干渉を精密にコントロールし、適切に揃えることができます。
また、キックやベースだけでなく、ギターやボーカル、ダブリングの使用時など、さまざまな場面で柔軟に活用できます。

その他の新機能

Neutron 5では、Phaseモジュール以外にも以下の新機能が追加されています。

  • Clipperモジュール: 音量を上げても歪みを抑え、ヘッドルームを確保しつつ、迫力あるサウンドを実現。オーバーサンプリング機能でピークを効果的に制御。
  • Densityモジュール: 音の細部を強調し、存在感と深みを追加。アップワードコンプレッションで自然なダイナミックレンジを実現。
  • チャンネルモードの追加: Mid/SideやTransient/Sustainモードを搭載。左右や短い音・長い音を個別に調整可能。
  • Deltaボタン: 処理した部分の差分をモニタリング可能。ミックスへの影響を正確に把握し、調整を効率化。
  • 11種類のプラグイン: マザーシッププラグインと10種類のコンポーネントプラグインを収録。それぞれ単独でも使用可能で、多用途に対応。

システム要件

Mac: macOS Ventura (13.6.9) ~ macOS Sonoma (14.6.1)
Intel または Apple silicon (Mシリーズ) Mac 対応(ネイティブおよび Rosetta)

Windows: Windows 10 (22H2) ~ Windows 11 (23H2)

価格情報

Neutron 5は、41,600円(税込)で購入可能です。
さらに、Neutron 4またはNeutron Standard/Advanced以前のバージョンをお持ちの方にはお得なアップグレード版、iZotope製品の他シリーズをお持ちの方にはクロスグレード版も用意されています。
ぜひNeutron 5を導入して、あなたの音楽制作をさらにレベルアップさせてください!