あらゆるノイズをクリーンに iZotope RX 7 の使い方① 基本概要編

Author: sleepfreaks

ノイズ除去ソフトの業界標準「RX 7」

RX 7

今回からiZotope社のオーディオリペアツール「RX 7」の使い方を数回に渡ってお送りしていきたいと思います。
RX 7は、レコーディングの際に入ってしまった様々なノイズを除去したり、音割れなどによって破損した音声を修復したりといったことを、通常不可能と思われるレベルで実現できてしまうツールです。
そのクオリティは非常に高く、このジャンルでは業界標準と言われています。

もちろん、なるべくノイズの入らない環境で、クリーンな音質でレコーディングすることがベストなのですが、意図せずしてノイズが入ってしまったり、どうしても録り直しが効かないといったケースはよくあることです。そういった際にRX 7を使えば、貴重なテイクを見事に復活させることができます。

また7からの新機能として「Music Rebalance」というものが追加されました。ミックスダウン済みの2MIXファイルをパート別に分解し、音量バランスを調整したり、ミュートする、またはソロで抜き出すといったことを可能とする画期的な機能です。
この辺りも他にはないRX 7の特色なので、後ほど触れたいと思います。

iZotope RX 7 使い方動画①

  1. 1RX7の基本概要
  2. 2ブレスや各種ノイズの処理
  3. 3各種ノイズ、リバーブ、クリップ除去


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ファイルの読み込み

この解説では、RX7のスタンドアロンバージョン、オーディオエディターを使用します。
起動すると、このようにファイルを開く画面が表示されます。

file_open

ファイルを選択するか、ドラッグ&ドロップして開きます。

opened

このように開くことができました。
見ての通り、クリッピング(音割れ)が発生しているファイルです。
今回はこれをRX 7を用いて修復していきたいと思います。

Repair Assistantの利用

RX 7には様々なモジュールが用意されており、右のリストに並んでいるのですが、初めて見る方にとってはどれが何の役割なのかすぐにはピンとこないと思います。
そういった場合でも安心です。Repair Assistant機能を使えば、AIが自動的にオーディオに含まれる問題を分析し、最適なツールを選択して適用してくれます。

repair assistant

Repair Assistantボタンを押すと、ポップアップが表示されるので、ここでオーディオ素材のタイプを選択します。

material choice

Dialogueがナレーションや会話などで、Musicはその名の通り楽曲や楽器演奏、歌などです。それらに当てはまらない場合、Otherを選択します。
Start Analysisボタンを押すと、分析が始まります。

分析が完了すると、オリジナルと、3つの処理チェーンオプションをプレビューできるようになります。

repair options

このプレビューでは、処理の強さを調整することも可能です。下にあるフェーダーマークをクリックしてみましょう。

intensity

強度のプレビューが作成され、強度を調整するスライダーが表示されます。これを動かすことで、処理の強度が変更されます。

結果に満足したら確定させてしまってもいいのですが、せっかくなのでどのような処理が行われているのか、中身も見てみましょう。
A、B、Cそれぞれにマウスカーソルを合わせることで、チェーンに含まれるモジュールの名前を見ることができます。

module name

さらに中身を詳しく見るには、下の「Open as Module Chain」をクリックします。

Module Chain

このようにポップアップが開き、チェーンの詳細を見ることができます。
各モジュールのフェーダーマークをクリックすれば、モジュール内の設定値を見たり、変更したりすることも可能です。

module detail

内容の確認が済んだら、処理を確定させていきます。
「Render」ボタンをクリックすると、プログレスバーが表示され、処理が走ります。

render

処理が完了すると、波形にその結果が反映され、右下のHistoryに履歴が追加されます。

history

Historyでは、Repair Assistant内の各モジュール処理も記録されており、どこでも好きな段階に移動することができます。

後はファイルを保存すれば、オーディオの修復は完了ということになります。
今回はこのように、Repair Assistantを使用しての簡易的な修復方法を解説しましたが、もちろんRX 7のポテンシャルはそれに留まるものではありません。Repair Assistantでは拾えない様々なノイズ等にも対応できるよう、次回以降各モジュールの解説へと進んでいきます。

Music Rebalanceについて

今回の最後に、冒頭で触れた「Music Rebalance」について、解説しておきたいと思います。
Music Rebalanceは、2MIXを、ボーカル、ベース、パーカッション、その他に分離して再調整できるという機能です。

Music Rebalanceを利用するには、それらのパートを含んだ楽曲の2MIXファイルを用意します。
そして、右のモジュールリストの中から、Music Rebalanceを選択します。

Music Rebalance

ポップアップが表示されますので、Previewボタンを押して再生しながら操作していきます。

Music Rebalance 2

  • ①Gain:各パートの音量を調整します。
  • ②Sensitivity:上げることによってそのパートの明瞭度は上がりますが、一方で他のパートのサウンドも混入しやすくなります。下げるとより分離が厳密となりますが、不自然な加工音が発生しやすくなります。他のパートとの相対的な数値となるため、数値に差をつけることによって効果を得る仕組みとなっています。

Separation algorithmでは、パート分離のアルゴリズムを選択することができます。

separation algorithm

Channel Independentが最も負荷が軽く高速な処理が可能ですが、分離精度は落ちます。Joint Channel、Advanced Joint Channelと進むに連れて分離精度が高まりますが、負荷が重くなリます。
レンダリングの際はAdvanced Joint Channelでいいと思いますが、プレビューの際はCPUの処理能力との兼ね合いで適宜調整するといいでしょう。

調整が済んだら、Renderボタンで確定=レンダリングを行います。


以上今回は、iZotope RX7の概要として、Repair AssistantとMusic Rebalanceについて解説しました。
次回以降、各モジュールの詳細について取り上げていきます。




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記事の担当 大鶴 暢彦/Nobuhiko Otsuru

Sleepfreaks DTM講師 大鶴 暢彦
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