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いきものがかり「ありがとう」コードアナライズ_1 キーの判別方法

キー(調性)とは何か?

一般的なポップスの場合ですが、キーを特定することによって
その曲で使用されるコードの種類(タイプ)が絞り込まれます。

キー(調性)を、わかりやすく説明するのは、非常に難しいのですが、ごくごくおおまかに言うと……

  • その曲のメロディー、コードやベースパートにメインで使われている音(ピッチ=音の高さ)のセット(組み合わせ)です。
  • そのセットに含まれる音(ピッチ)を、低い音から高い音に階段上に並べ替えたものが、スケール(音階)です。
  • スケールには、おおよそ中心になる音があります。(大抵は、スケールのスタート音)
  • その中心となる音の音名=キー(調性)の名称になります。

 例)「G」からスタートするメジャーキー→Gメジャー

Gメジャースケール

解説対象楽曲

jasrac 2

解説動画

1_キーの判別方法(当記事となります)
2_コード進行
3_ノン・ダイアトニックコードについて
4_ツー・ファイブについて
5_ピボット・コード
6_ダブルドミナントとサブドミナントマイナー
7_分数コード(オン・コード)について

キー(調性)を判定する方法

音感や耳の訓練が出来ている方は、メロディーやコード進行を聴いたときに、
瞬時に中心音や中心となる和音を把握して、理屈抜きでキーがわかることが多いかもしれません。

ここでは、それに頼らずに、実際のメロディーに含まれるひとつずつの音名を探って、
キーを特定する方法をお伝えします。

ポイントは、メロディーのラインで「シャープやフラットの音が、どこに出現するか?」 を見極めます。

いきものがかり「ありがとう」の原曲メロディーは、メロディーにシャープやフラットが一切出てきません。
(言いかえると、鍵盤の白いところだけで演奏できるメロディーです。)

例えば、カラオケのキーを変更する要領で、メロディーを2半音上(全音)上げてみます。
(キーチェンジで+2)

ありがとう_コードアナライズ_1

結果として、シャープは「F#」「C#」の2箇所に出現します。

五度圏(Circle of 5th)を使用する

五度圏(Circle of 5th)

五度圏(Circle of 5th)の早見表で確認すると
「Dメジャー」あるいは「Bマイナー」であることがわかります。
(現時点では、メジャー・マイナーの区別は問わないことにしておきます。)

もう一つ試してみます。
先ほどのものを、今度は半音下げてみます。(オリジナルからキーチェンジで+1)

ありがとう_コードアナライズ_2

スコアエディターでも、同じように確認できます。ここでは、C# D# E# F# G# A# B#
7つの音にシャープが見られます。

五度圏(Circle of 5th)_2

五度圏の表で、シャープ7つは「C#メジャー」あるいは「A#mマイナー」であることがわかります。

記事の担当 侘美 秀俊/Hidetoshi Takumi

武蔵野音楽大学卒業、映画/ドラマのサウンドトラック制作を中心に、数多くの音楽書を執筆。
オーケストレーションや、管弦楽器のアンサンブル作品も多い。初心者にやさしい「リズム早見表」がSNSで話題に。

北海道作曲家協会 理事/日本作曲家協議会 会員/大阪音楽大学ミュージッククリエーション専攻 特任准教授。

近年では、テレビ東京系列ドラマ「捨ててよ、安達さん。」「シジュウカラ」の音楽を担当するなど多方面で活躍中。

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