ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り③ ギターソロサウンドの作り方
エレキギターの王道 ディストーションサウンド
こんにちは。ギタリスト、ギターサウンドデザイナーの鈴木健治です。
3回目を迎えました、ギターアンプの音作り。
今回はエレキギターの花形とも言えるギターソロサウンドについて解説していきます。
実際のギターアンプを触ったことがない方や、アンプシミュレーターでの音作りが上手くいかない、、そのような方にもご活用いただける内容を目指していきます。
特に今回は、アンプとコンパクトエフェクターの組み合わせ技の解説もしていきます。
是非、かっこいいギターソロのサウンド作りにチャレンジしてみてください。
ギターソロサウンドの作り方、解説動画
- 1ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り① アンプシミュレーターとは?
- 2ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り② ディストーションサウンドの作成
- 3ギタリスト 鈴木健治のギターアンプの音作り③ ギターソロサウンドの作り方
テクニカルなプレイやハードな曲で使える、現代的なハイゲインサウンド
アンプモデルは Mesa Boogie DUAL Rectifier をチョイス
前回のディストーションサウンド編でも使いましたが、特にディストーションサンドを得意としたアンプモデルになります。
このアンプはハイゲインなサウンドに加えて、トーン回路の特性的にミドル帯域に少しクセがあり、それが音数の多いトラックでの抜けの良さに繋がっています。
トーン回路の特性はアンプのキャラクターに大きく影響するんですね。
ドライブペダルでアンプをブースト
ここでもアンプの前にストンプペダルを使っています。
使用したのは「Compresser」と「DIODE OVER drive」になります。
ここではアンプ自体歪む設定にしているのですが、オーバードライブをブースター的用途で使う事で、アンプへの入力をブーストして「ザクっとした音」を加える効果を狙っています。
また、アンプの歪みとドライブペダルの歪みを合わせる事で、複雑な倍音が加えられ、音の立体感が増す効果もありますね。
*動画をチェックしてみてください。
コンプレッサーはピッキング時と、レガート奏法時の音量を揃える目的で使用しています。
あまり深くかけすぎるとノイズが増えてしまったり、ニュアンスが消え過ぎてしまう事があるので、そこは注意が必要です。
ニュアンスを大事にしたい時に使える、トラディショナルなオーバードライブサウンド
アンプモデルは Fender Deluxe Reverb をチョイス
このアンプにはクリーントーンのイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
実際フェンダーアンプのクリートーンはエレキギターにおけるクリーントーンの基本とも言えるのですが、実はボリュームを上げて行くと温かみのあるナチュラルなドライブが加えられて、マーシャ ルやメサブギー等の激し目な歪みとはテイストの違う、トラディショナルで暖かみのあるドライブサウンドを得る事が出来るんです。
プラグインならではの恩恵
このような1つのボリュームを上げる事で得られるドライブサウンドは、実際のアンプですと結構な大音量になるので、例えば宅録環境ですと音量的に厳しい事もあると思います。
スタジオで音を出しても、1つのボリュームで音量と歪みを同時にコントロールするのは決して簡単ではなく、大音量のアンプの音を聴きながら丁度良い音作りをするには、多くの経験とテクニックが必要になってきます。
その点プラグインですと、アンプのボリュームを上げながらでも、適切な音量でモニター出来るので、その点大きなアドバンテージがあると言えるでしょう。
アンプのイコライザー
ギターアンプのイコライザーの多くは、DAWで使用するパラメトリックイコライザー等とは違い、少ないパラメーターで大きくサウンドを変化させる目的で使う事が多いです。
トレブルやベース言っても特定の周波数をカット、ブーストする用途でなく、ざっくりと高音域や低音域に効果を加える「トーンコントロール」と認識するのが良いと思います。
コツとしては最初に大きく動かして音の変化の確かめて、微調整していくのが良いでしょう。
ストンプペダルを加える理由
アンプである程度音作りが出来たけど、もう少しニュアンスを変えたい、もう少し歪みを加えたい、そのような時にはアンプの前にドライブペダルを加えるのもオススメの方法です。
ここでは、OVERSCREAMというオーバードライブペダルを図のようなセッティングで加えています。
オーバードライブペダルはそもそもが歪ませるエフェクターなのですが、ペダルを通す事で得られる音質の変化を、積極的に活用する方法もあるんです。
ここではアンプのサウンドのレンジ感を少し狭める事で、特にオケ中でギターソロのフレーズが聞こえやすい方向に持って行っています。
ドライブ系単体での音作り
アンプをクリーンなセッティングにして、歪みはドライブペダルで行う事もあります。
DRIVEやDISTといったつまみで歪みの深さ、TONEやFILTERで主に高音域の聞こえ方を調整するのが一般的です。
パラメトリックイコライザーを内蔵したタイプではより細かく設定することが可能です。
LEVELやVOLUMEで全体の音量を調整しますが、アンプへの入力レベルにも影響するので、単純に音量の上げ下げとは少しニュアンスが違うものになります。
今回の動画では2種類のギターソロ向けサウンドを作ってみました。皆様の制作のお役に立てれば幸いです。