MASSIVE X(マッシブ エックス) の使い方 概要・特徴のまとめ

Author: sleepfreaks

待望のソフトシンセサイザー MASSIVE X 遂に降臨

Komplete _ シンセ _ Massive X | 製品

Native Instruments社より遂に「MASSIVE X」がリリースされました。

「KOMPLETE 12」「KOMPLETE 12 ULTIMATE」「KOMPLETE 12 ULTIMATE Collector’s Edition」をお持ちの方は、MASSIVE Xを無償でダウンロード・使用することができます。

Native Accessの使用方法は下記からご確認ください。

現在でも多くの方に使用されている「MASSIVE」がリリースされたのは、10年以上も前のことです。
音楽シーンは絶えず進化し、他社/同社を問わず多くのソフトシンセがリリースされています。
この中でMASSIVE Xはどのような変化を遂げているのか?

ここでは、このMASSIVE Xのレビューを含め、製品の概要・特徴を徹底解説していきます。

製品ページ : https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/synths/massive-x/

とにかく今っぽい音が満載! 350超えの優秀なプリセット

MASSIVE X には予め戦力となる350以上のプリセットが用意されています。

Massive X Preset-1

左セクションからサウンドカテゴリーを指定してプリセットを呼び出すことも可能です。

サウンドは非常に太く、今っぽく派手という印象です。
特にEDMの制作を行っている方にとって、かなり嬉しいサウンドライブラリとなっています。

前作のMASSIVEプリセットは奇抜なサウンドが多く、使い所が難しいと感じていました。
今回はどのプリセットもかなり扱いやすく、即戦力として楽曲に取り入れていくことができそうです。

KKS

また、MASSIVE X は同社「KOMPLETE KONTROL」内でも起動することができます。
読み込んだプリセットの主要パラメータは予めKOMPLETE KONTROLに最適化されています。

ARP Chord

KOMPLETE KONTROLのノブから簡単にサウンドコントロール・デザインを行うことができる他、強力なスケール機能やアルペジエイターも使用可能です。

サウンドデザインにこだわったOSCセクション

Massive-X-OSC

MASSIVE Xには2基のメインオシレーター(OSC)が備わっています。

Massive-X-WaveTable-1

OSCには様々な波形が用意されており、カテゴリーで分類されています。

Massive X OSC WaveTable

各波形はWabeTableで管理され、OSCノブを回すことで使用する波形を変化・指定していきます。

OSC MODE

読み込み・選択した波形に変化を与える様々なモードが用意されています。
前作のMASSVEでもお馴染みの「Bend」「Formant」に加え、様々な効果が用意されています。

Mode Knob

選択したモードに合わせてノブの項目が変わります。
これらモードを組み合わせることで、過激なサウンドから癖のある特殊効果まで、あらゆるサウンドを生み出すことができます。

モジュレーション

後に記載いたしますが、これらパラメーター(ノブ)に対して「エンベロープ」「LFO」など、モジュレーションで動きをつけることで、よりスリリングなサウンド変化を得ることができます。

フェイズモジュレーションを使用する

OSCに対してフェイズモジュレーションを使用することで、更に緻密/過激なサウンドを生み出すことができます。

PM1 Massive X

各OSCで「PM1/AUX/PM2」の中からどのモジュレーションを使用するのか?を決めます。
目的のモジュレーションをクリックして点灯させます。(ここではPM1を選択)

指定したモジュレーションの適用量を下のノブから指定します。
前作のMASSIVEでは、モジュレーション側の波形は「Sine」のみでしたが、この波形も自由に選択可能になっています。

Mod Pitch

モジュレーション側のピッチを変化させることもできます。
これによりサウンドバリエーションが大きく広がります。

デフォルトの単位は「Ratio」となっています。

  • 「1」は演奏されたMIDIノートのピッチでモジュレートします。
  • 「2」で1オクターブ上、「4」で2オクターブ上、「8」で3オクターブ上
  • 「1/2」で1オクターブ下、「1/4」で2オクターブ下、「1/8」で3オクターブ下

となります。

PM1 Env

このピッチをエンベロープなどのモジュレーションでコントロールすることで、サウンドに時間的な動きが加わります。
ユニークなサウンドや効果音を作成する際に有効です。

グライドを適用する

シンセサイザーの定番手法、演奏されるノートのピッチを滑らかに推移させる「グライド」の適用も簡単です。

Glide

「Glide」ボタンをクリックして点灯させます。
後はピッチが推移する時間を「Time」から指定します。

Massive X PolyMono

このグライドは「単音(Mono)/ 和音(Poly)」のどちらの演奏にも対応しており、切り替えは「Voice」タブから行います。

Voice

「Voice」タブの「Glide」セクションからピッチ変化のカーブニュアンスを指定することも可能です。

ユニゾンを適用する

OSCのサウンドを重ねて厚みや広がりを与えるユニゾンを使用できます。

Unison Massive X

「Voice」タブの「Unison」を点灯させ、「Voice数」を「2〜6」の間で設定します。
Voice数が1の場合はユニゾンの効果がありません。

Width Spread

「Stereo Width」からサウンドの広がりを調整し、「Spread」から各ユニゾンのピッチをズラして厚みを与える「デチューン」の強さを指定します。

Wide

この際にモードを「Wide」にすることで、ピッチのズレが最大でオクターブ間まで広がります。

Chord Morph

「Chord Morph」ノブを左に振り切った場合、上記で説明した典型的なユニゾン挙動となりますが、ノブを右に振り切ることで、各ユニゾンノートが指定したキーのコード構成音を演奏します。

Harm_Chord

コードの種類も変更可能です。
単音のMIDIノートからあらゆるコード演奏を行うことができます。

自由なサウンドデザインを支援するルーティング

MASSIVE Xの特徴として、自由なサウンドルーティングが挙げられます。

Massive X Routing

各セクションを結線して、「フィルター/ノイズ/フィードバック/エフェクト/オグジュアリ」の効果をコントロールすることができます。

難しく見えてしまうかもしれませんが、ここで覚えておくべきルールは1つだけです。
そのルールは「サウンドは、右下の矢印に到達したものが聴こえてくる」ということです。

Massive Routing

この結線はダブルクリックで削除が可能です。

OSC 1 Routing

例えば、OSC1のサウンドラインをダブルクリックして削除した場合、OSC1のサウンドが一切出力されなくなり、聴こえてくるサウンドは結線されているOSC2のみということになります。

Filter Masive X

例えば、OSC1のサウンドをフィルターに通す場合は、OSCの出力をドラッグして「F_フィルター」のインプットへ結線します。

OSC1 Filter Massive X

このような形です。
この場合、OSC1→フィルターのサウンドは出力されません。
フィルターからの出力が止まっているためです。

Filter Sound Out Massive X

そのため、フィルターの出力をアウトプットへ繋がる「X」へ結線します。
これでOSC1のサウンドがフィルターを通して出力されます。

OSC 1_2 Routing Massive X

この場合、OSC1のみフィルターが適用され、OSC2はフィルターの適用が行われずに出力されることになります。
OSC2にはフィルターを適用したくないなど、求めている状況に合わせて自由にサウンドコントロールを組むことが可能になります。

X.Y.Z Massive X

この「X/Y/Z」はエフェクトセクションになります。
X/Y/Zに対して個別のエフェクトを適用可能です。

X Reverb Massive X

例えば「X」に対して「Reverb」を適用したとします。

OSC1 OSC2 Reverb Effect-1

この場合、「X」に結線されているOSC1、OSC2ともにリバーブが適用されますが、

OSC Effect Massive X

このように「OSC2」をダイレクトに出力へ結線することで、OSC1のみリバーブを適用するというコントロールも行えます。

サウンドが豊富なノイズセクション

サウンドを強化したり、効果音(FX)サウンドで活躍するノイズセクションも充実しています。

Noise

2基のノイズOSCが搭載されており、スライダーからボリュームを調整します。
ノイズの種類もカテゴリー分けされ、非常にわかりやすくなっています。

機械音・自然音なども含まれており、MAなどの効果音制作としても活躍します。

Pitch Noise

「Pitch」ノブからノイズのピッチを変化させ、サウンド特性を変えたり、バリエーションを与えることができます。
また、エンベロープやLFOなどを使用してPitchに動きをつけるという手法も効果的です。

Noise Sound

ノイズサウンドが鳴らないという場合は、上記で解説を行った「Routing」からアウトプットへの結線をご確認ください。

Noise PM AUX Massive X

また、ノイズOSCを「PM AUX」に結線することで、メインOSC部分の「AUX」からノイズOSCを使用したモジュレーションが可能になります。
かなり過激なサウンドを生み出すことができますので、是非お試しください。

圧倒的なバリエーションを誇るフィルターセクション

MASSIVE Xではフィルターのバリエーションも充実しています。

Filter Massive X

このように、フィルタータイプ別から指定します。

王道のフィルタータイプから、個性的なキャラクターのものまで。
様々なタイプが幅広く揃っているため、音作りが更に楽しくなります!

Filter Type Massive X

指定したフィルターから「ローパス/ハイパス/バンドバス/ピーク」などを選択可能です。
(フィルタータイプによって項目内容が異なる場合があります)

Routing

フィルターを使用する際には、ルーティングを忘れずに。

エフェクトセクションも充実

MASSIVE X では基本エフェクト〜飛び道具まで、非常に優秀なエフェクトが備わっています。

Effect Section

エフェクトは「A/B/C」と「X/Y/Z」の計6箇所に適用することができ、「A/B/C」と「X/Y/Z」では適用可能なエフェクトが異なります。

Routing Effect

「Routing」で確認してみると、このような配置となります。

Routing Effect Massive

例えば「OSC1」には「A→B→X→Y→Z」のエフェクトを適用し、「OSC2」には「C→Z」のエフェクトを適用するというコントロールも行えます。

XYZ 並び替え

また「X/Y/Z」では各エフェクトサウンドがどのように流れていくのか?というルーティングを3パターンから指定可能です。

モジュレーターのアサイン

Massive X Tools

MASSIVE Xの中央にはノブやスライダー値を時間的に変化させるツールが用意されています。

Env Massive X

前作のMASSIVEから概要が引き継がれており、各モジュレーターを目的のノブ/スライダーにドラッグしてアサインします。
もちろん、1つのモジュレーターを複数のノブ/スライダーへ割り当てることも可能です。

ENV AMOUNT MASSIVE X

モジュレーターの適用後は、数字部分を上下ドラッグしてアマウント量(サウンドの変化範囲)を調整します。
サウンドの変化範囲はモジュレーターのカラーによってグラフィカルに表示されます。

この適用方法はどのモジュレーターも共通となります。

Env LFO

音作りを行っているとエンベロープやLFOの数が足りないというケースも出てきます。

2〜9のエンベロープ/LFOは自由に切り替えを行うことができ、使用していないエンベロープセクションをLFOに切り替えるなど、柔軟なカスタマイズに対応します。

※エンベロープ1はボリュームをコントロールする「Amp-Envelope」で固定となっています。

Macroコントロール

MASSIVE Xの上部には「16のマクロ」が用意されています。
モジュレーターと同じ要領で、目的のパラメーターへ割り当てることができ、「MIDIコントローラー」や「KOMPLETE KONTROL」のハード機器からマクロをコントロールすることができます。

PB M AT

また、「PB_ピッチベンド」「M_モジュレーションホイール」「AT_アフタータッチ」から、何のパラメーターを変化させるか?という指定も行えます。

エンベロープ セクション

Massive X エンベロープ-1

エンベロープセクションでは「A_アタック」「D_ディケイ」へ「Shape」が追加されています。
これにより、サウンド変化のニュアンスを細かく調整可能になりました。

※エンベロープ1はボリュームをコントロールする「Amp-Envelope」で固定となっています。

Exciter Envelope

また、新たに「Exciter Envelope」が追加されています。

LFO セクション

LFOにも機能の追加があります。

LFO MASSIVE X

「1shot」など1周期だけLFOの効果を適用するという音作りも可能となり、LFOのシェイプにバリエーションが加わりました。
波形のグラフィックから効果が把握しやすくなったという点も嬉しいですね。

「Free」部分をクリックして「Sync」にすることで、LFO周期をDAWのテンポと同期させることもできます。

Random LFO

また、LFOの種類に「Random LFO」が追加されています。

Random LFO Massive X

言葉通り、LFOの周期・動きをランダムに変化させる機能です。
「Rate」からLFOのスピードを調整し、中央のノブからランダムニュアンスを指定します。効果音の制作などにも向いています。

トラッカー セクション

トラッカー Massive X

このトラッカーセクションはMASSIVE Xで新たに追加されたモジュレーターです。

「ピッチの高さ」や「ベロシティ」によりノブ・スライダーの効果量を調整できます。

Reverb Massive X

アイディア次第で、様々な使い方が考えられます。
例えば、リバーブエフェクトの適用量をピッチの高さによって変化させることで、低いピッチにはリバーブを適用しないという使い方も有効です。

Velocity Tracker Massive X

ベロシティ値によってウェーブテーブルの読み込み位置を変化させるという使い方も面白いと感じました。

Tracker Massive X

演奏されているピッチは黄色のラインで示されます。
「Edit」ツールを使用してラインをドラッグすると様々なカーブを描くことができます。
サウンドニュアンスをより細かく調整する際に便利です。

パフォーマー セクション

MASSIVEで人気がある、パフォーマーも進化しています。
テンポに同期させ、パラメーターへ最大8小節の動きを与えることができます。

範囲とズーム Massive X パフォーマー

もちろん、変化の周期を調整することも可能です。
上部に配置されているパフォーマンス範囲をドラッグして指定します。(ここでは1小節間)

下部分のスライダーから範囲のズームイン/アウトを行うことができるため、より細かな編集が可能になります。

Performer Edit

拍子/音価の指定に準じ、エディット内のグリッドが変化します。
後は、クリックとドラッグを行い、カーブを作成していきます。

Edit Perfomer Massive X

中央がニュートラルとなっており、適用したパラメーター値に変化がありません。
上に向かうほどプラス/下に向かうほどマイナスの効果が与えられます。

Edit Tool

また、「Editツール」を使用することで、複雑なラインをすぐに作成することができます。

Performer 適用 Massive X-1

作成したカーブは複数のパラメーターに適用可能です。

Bank Per Massive X

1つのパフォーマーに対して最大で12の動きを記録しておくことができます。
タブをクリックして、新たにラインを作成・切り替えを行えるほか、タブをダブルクリックすることで、好みの名前をつけることができます。

Per Massive X

また、各タブのカーブはMIDIキーボード(MIDIノートによる切り替え)から切り替えを行うことができるため、ライブなどリアルタイム演奏が求められる際にも重宝します。

「Remote」ボタンをクリックすると割り当ての詳細を確認することができます。
デフォルトでは「C-2〜C-1」の1オクターブ(12鍵盤)に各タブが割り当てられています。

MIDI Key Massive X

目的のキーをクリックしてキーボードへ割り当てる範囲を変更することも可能です。(ここではC1〜C2へ変更)

ランダム セクション

「VR」からは指定したパラメーターをランダムに変化させることができます。

VR Massive X

例えばピッチ/フィルター/ボリュームなどに対して、僅かにランダムを入れることで、ノートの発音ごとに異なる微妙なニュアンスを表現できます。
もちろん、ランダム幅を大きくして、特殊なサウンドを生み出すという手法も面白いです。





いかがでしたでしょうか?

現在の音楽シーンに合わせたサウンドデザインはもちろん、MASSIVE Xがこれからの音楽シーンを作っていくと言っても過言ではないほどのサウンド・機能・自由度を誇っています。
是非、実際に製品を触って、その進化を体験してみてください!

製品ページ : https://www.native-instruments.com/jp/products/komplete/synths/massive-x/




DTM解説情報をつぶやくTwitterのフォローもお願いいたします。