広告

×
目次

【UAD Spark】 至高のアナログサウンドがついにハードウェア不要に!ポイントと導入方法解説

Author: sleepfreaks

ネイティブ対応のUADプラグインがサブスクでリリース



アナログモデリングプラグインの最高峰とされ、専用のDSPを搭載したハードウェアを接続していなければ使用できなかった「UADプラグイン」。
高価で手が出せなかった方や、所有しているがハードウェアの持ち運びやDSPパワーに悩まされていた方に朗報です。

ネイティブ対応、つまりハードウェアなしで(一般的なプラグインと同様に)UADプラグインを使用できるサービス「UAD Spark」が、サブスクリプション形式でリリースされました。
(現在はMacのみ対応、Windows対応は2022年11月を予定

※2023/02/15日 追記 Windowsに対応しています。

この時点で「UADプラグインって何?」と思った方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

この記事ではUAD Sparkのサービスの特徴、導入方法、使用した所感について解説していきます。

  1. 1UAD Sparkの価格
  2. 2使用できるプラグイン
  3. 3UAD Sparkの導入方法
  4. 4UADxプラグインの使用感

UAD Sparkの価格

UAD Sparkはサブスクリプションサービスのため、月額もしくは年額での契約となります。

uad spark price

  • 月額:19.99ドル(約2,500円※)
  • 年額:149.99ドル(約18,600円※)

※2022年4月9日時点の為替レートによる換算

年額はディスカウント中のようですが、月額プランより圧倒的に安いですね。
払い続けることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、かなり手を出しやすくなったことは確かです。
また、いずれのプランも14日間のフリートライアルがついていますので、どんなものが試してみたいという方への門も大きく開かれたと言えます。

なお、次項で挙げるUAD Spark(UADx)プラグインについて、これまでにDSP版で購入済みという方は、最新のUADソフトウェアをインストールすることで、UADx版も追加費用なしで使用することが可能です。

使用できるプラグイン

UAD Sparkでは全てのUADプラグインを使用できるわけではなく、現在リリースされているのは13製品(17プラグイン)です。
カテゴリー別に見てみましょう。

コンプレッサー

  • Teletronix LA-2A Collection(特性の異なる3機種をモデリング)
  • UA 1176 Collection(特性の異なる3機種をモデリング)
  • API 2500 Bus Compressor

しっかりとキラープラグインが入っていますね。
LA-2Aと1176といえばスタジオ大定番のコンプで、UADプラグインの中でも必ず押さえておきたいものでした。それぞれ3種類のリビジョンが収録されており、挙動の違いも忠実にモデリングされています。

API2500もナチュラルかつグルー(ミックスをまとめる)効果が高いバスコンプで、マスターやドラムバス等で大活躍します。
これらを使いこなすだけでも、大幅にサウンドがグレードアップすること請け合いです。

チャンネルストリップ/Tape

  • API Vision Channel Strip Plus
  • Studer A800 Tape Machine
  • Neve 1073 Preamp and EQ

こちらも強いラインナップです。
まず目に止まるのはやはりNeve 1073でしょう。少しレコーディングやミキシングをかじった方ならその名を知らない人はいない、伝説的なプリアンプ/EQです。これまでUADを使用されていたほとんどの方が所有しているのではないでしょうか?

APIのチャンネルストリップは数々のヒット曲で使用された明るくパンチのあるサウンドを即座に再現してくれますし、Studer A800も、マスターに挿してプリセットを選ぶだけで、驚くほど質感が”それっぽく”なります(この「すぐにいい音になる」というのが実際UADの最大の強みなのです)。

リバーブ/ディレイ

  • Lexicon 224 Digital Reverb
  • Pure Plate Reverb
  • Galaxy Tape Echo

名機として今なお重宝されているLexicon 224やGalaxy Tape Echo(元となっているのはRoland Space Echo)など、モデリングならではの空間系エフェクトがラインナップされています。
Pure Plate Reverbもシンプルかつハイクオリティなプレートリバーブで、十分戦力となる製品です。

下記動画ではPure Plate ReverbとGalaxy Tape Echoのサウンドや使い方を確認していただけます。

UADインストゥルメンツ

  • Opal Morphing Synthesizer(Spark限定提供)
  • Ravel Grand Piano
  • Moog Minimoog
  • Waterwfall B3

UADのソフト音源やシンセはあまりイメージにないかもしれませんが、シンプルながら同社のモデリング技術を活かした質実剛健なクオリティで、これをきっかけにユーザーが増えそうですね。
またSpark限定で鳴り物入りのデビューを果たしたOpalは、アナログ・モデリングとウェーブテーブル・シンセシスを組み合わせた現代的なシンセで、UADプラグイン品質のエフェクトも標準搭載するなど、十分なポテンシャルを感じます。

UAD Sparkの導入方法

アカウント作成と決済方法登録

冒頭でも触れた通り、UAD Sparkはサブスクリプションサービスとなっていますので、まずアカウント作成が必要です。

▶︎UAD Sparkのサイトにアクセス

上記サイトにて、「Try 14 Days Free」をクリックします。

メールアドレスを求められますので、入力します。

uad spark price

次の画面で、月額か年額かのプランを選択します。
※14日間のフリートライアル後に請求されます。それまでに解約すれば無料です。

氏名とパスワードを入力し、アカウントを作成します。

続いて、請求先情報を入力します(Shop PayやPayPalアカウントをお持ちの方は上のボタンからアカウント連携が可能です)。

クレジットカード番号を入力し、同意事項にチェックを入れて「Complete Order」をクリックすれば、申し込み完了です。

この画面が表示されると、UADx(=ネイティブ版UAD)プラグインをダウンロードするためのソフト「UA Connect」の自動ダウンロードが始まります。始まらない場合はボタンをクリックしてダウンロードしてください。

UADxプラグインのアクティベーションとインストール

ダウンロードしたUA Connectによりアクティベーションとインストールを行います。

インストーラーを開き、UA Connextをアプリケーションフォルダに移動します。

UA Connectをアプリケーションフォルダから起動すると、ログインを求められますので、上で設定したメールアドレスとパスワードを入力しログインします。

この画面が表示されたら、「Get Started」をクリックします。

メールアドレスに紐づくiLok IDがない場合、このような画面となります。
ここからiLok IDを作成することもできますが、おすすめしません。
別途iLokのサイトでIDを作成し、紐付けを行った方が後々の管理が楽なので、少し回り道になりますが、先にこちらを行ってみてください。
(行うのはIDの作成までで、製品の認証を行う必要はありません。また、UAD SparkのiLok認証はクラウドで可能ですので、USBキーを購入する必要はありません。)

iLok IDを作成した後にログインすると、以下のような画面になります。
(上と同じ画面が出た場合は、「Link to Different iLok User ID」をクリックしてください)

上には作成済みのiLokが表示されていますので、それを使用する場合はそのまま「LINK ACCOUNT」ボタンをクリック、違うIDを使用する場合は入力してからボタンをクリックします。

次の画面で、iLok IDのパスワードを入力します。

パスワードが通るとアクティベーションが完了し、ダウンロード画面に移ります。
ここで必要なプラグインの「DOWNLOAD」ボタンをクリックすれば、ダウンロード〜インストールまで自動で行われます。あるいは「DOWNLOAD ALL」で全プラグインを一気にインストールすることも可能です。

UADxプラグインの使用感

プラグインが正常にインストールされていれば、「UADx」が頭についた名称でプラグインリストに表示されます。

UADx List

DAWにもよりますがDSP版とカテゴリーが分けられるため、わかりやすいはずです。

プラグインを立ち上げると、ほぼ従来のUADプラグインと変わりませんが、フッターのようなものがなくなり、独自のプリセットリストやCOPY/PASTEが追加されています。

特に言及されていませんが、おそらくDSP版とのサウンドの差異はないと思われます。

CPU使用率については、8トラック(オーディオ)に「1176LN Rev E」を1つずつインサートし再生した状態で、この程度です。
(CPU:4GHz クアッドコア Intel Core i7 / バッファサイズ:32サンプル / サンプルレート;48kHz)

同じく1176をモデリングしたWaves CLA-76は同条件で合計3%、T-RackS BLACK76が合計11%でしたので、CPU負荷は特に高くないと言えます。

なお、DSP版にて上記と同じトラック構成とした場合のDSP使用率(UAD-2 Satellite TB2 OCTO CORE使用)は以下となります。

DSP

DSPの制限から大きく解放されることが窺えますね。

またレイテンシーについてですが、UADx版とDSP版(いずれも1176LN Rev E)をPro Toolsの遅延補正機能で計測したところ、以下のようになりました。

やはり通信が発生しないUADxの方がレイテンシーは少ないですね。
今回使用したUAD-2 SatelliteはThunderbolt 2なので、3にするともっと少なくなると思われますが、最少でも今の半分くらいでしょう。


以上今回は、その名の通り電撃的なネイティブ対応を遂げたUAD Sparkについて解説しました。
まだまだ使用できるプラグインは全体のごく一部なので、今後の展望はわかりませんが、未使用の方には導入しやすくなり、使用中の方は利便性が増しますので、大いに歓迎できるリリースと言えるのではないでしょうか。

なお当面は、Apolloシリーズ等はUNISONテクノロジーの優位性がありますし、シビアな現場ではDSPの安定性が求められますので、DSPが完全になくなるということはないのでは?と思います。
それでも少しずつUADxプラグインは増えていく可能性が高いので、今後の展開から目が離せませんね!



DTM解説情報をつぶやくTwitterのフォローもお願いいたします。