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IK Multimedia 渾身の傑作リバーブ Sunset Sound Studio Reverb

Author: sleepfreaks

LAの伝説的なスタジオを再現したリバーブプラグイン

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世界の音楽文化に最も貢献したスタジオの一つ、ロサンゼルスのSunset Soundスタジオの各ルームや機材を再現したコンボリューション・リバーブ「Sunset Sound Studio Reverb」がIK Multimediaよりリリースされました。

出典:IK Multimedia 公式サイト

サンセット・サウンドは、1958年にディズニー・スタジオのレコーディング・ディレクターであるトゥッティ・カメラータによって開設されたレコーディング・スタジオです。当初はディズニー専属のスタジオとして『メリーポピンズ』、『101匹わんちゃん』などの映画を音声をレコーディングしました。
1962年には外部クライアントにも開放された後、3つのスタジオへと拡張され、ドアーズ、ローリング・ストーンズ、ジョー・コッカー、レッド・ツェッペリン、ヴァン・ヘイレン、プリンスなどのヒット作品、200作以上のゴールド・レコードのレコーディングが行わてきました。
トゥッティ・カメラータの息子、ポール・カメラータがオーナーとなり運営しているSunset Soundスタジオは、現在も世界クラスのアーティストを迎え続けています。3つの部屋は常にフル稼働しており、カスタムメイドされた音響、コンソール、完全装備のエコー・チェンバー、充実したマイク保管庫を備えたサンセット・サウンドは、ミュージシャンにとって夢のような場所となっています。

スタジオを再現したプラグイン、と言ってもピンとこないかもしれませんが、レコーディングの際に、優れたスタジオで調整されたルームアンビエントを通したサウンドというものは、やはりミックスにおいても極上の一体感や臨場感をもたらしてくれます。
加えてこのプラグインでは、Sunset Soundスタジオのエコーチェンバー、プレート/スプリングリバーブといった最高級の設備・機材も丁寧にサンプリングされ、収録されています。

T-RackS Sunset Sound Studio Reverb 使い方

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VRM(Volumetric Response Modeling = 体積応答モデリング)技術

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Sunset Sound Studio Reverbでは、IK Multimedia独自のVRM™(Volumetric Response Modeling = 体積応答モデリング)技術が使用されています。これにより従来のコンボリューション・リバーブとは一線を画したリアルな空間表現を実現しています。
その謳い文句の通り、出音は非常に自然で、いかにも作られたという感じがしません。その新鮮さから思わずミックスが楽しくなるリバーブです。

コンソールを通したサウンドを実現

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Sunset Soundの3つのスタジオの音響特性を再現するにあたり、インパルス・レスポンスはスタジオ常備のマイクで収録されています。
さらにSunset Soundのカスタム・コンソール(APIを基にしたSunset Sound Custom、Class AディスクリートのNeve® 8880、API/DeMedio®によるSunset Sound Custom)、プリアンプなど、信号経路全体についてもフィジカル・モデリング技術を駆使し、前述のVRMと組み合わせることで、細部に至るまで再現することにこだわっています。
出音は温かみがあり、適度な倍音付加により心地よく耳に馴染みます。リバーブをかけることで一段上のサウンドメイクを行える印象です。

シンプルで明解な操作パネル

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Sunset Sound Studio Reverbのパネルは、パッと見ただけで操作がわかる簡単設計です。
リバーブのモードを選択し、さらにそのオプションを選択、あとはプリディレイやディケイタイム、フィルター、定位等をセッティングするだけ。
とはいえ、組み合わせ次第で驚くほど音作りの幅が広く、かつ短時間で思い描いた残響を生み出せるよう考えられています。

各リバーブモードの特徴

CHAMBER

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チェンバーは、エコーチェンバーと呼ばれる部屋でスピーカーから音源を流し、マイクで収録することで残響効果を得るリバーブ方式です。Sunset Sound Studio Reverbのチェンバーリバーブは、非常にクリアで濃密、単なるチェンバーにとどまらない印象です。
ローを適度にカットしてボーカルに、ディケイをやや短めにして全体を馴染ませるリバーブに、などなど設定次第で様々な用途が広がると感じました。

LIVE ROOM

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VRMの真骨頂とも言えるLIVE ROOMは、絶妙にセッティングされたスタジオのアンビエンスを再現しています。
出音はリアルの一言。ドライなサウンドに適度な距離感と温かみを加えることができます。
ドラムやストリングスのルームマイクを想定して使用すると、ソースのサウンドと一体となって心地よい空気の振動を感じさせてくれます。
各スタジオで全くキャラクターが異なるので、楽曲の雰囲気に合わせてチョイスできるのも嬉しいところです。

ISO BOOTH

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LIVE ROOMよりも狭い、独立したブース環境を再現したISO BOOTH。
こちらは一般的なリバーブというよりも、微細な空気感を足したり、最高級のマイクやコンソールを通したサウンドを得るといった目的で、主にサウンドメイクにおいて真価を発揮すると感じました。
ドラムやパーカッションなどに適用すると、温かみとともに倍音付加効果によって適度なパンチがもたらされます。ややチープなサウンドでも、通すことで「使える音」にしてしまうパワーを持っていると思います。

PLATE/SPRING

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Sunset Soundスタジオで実際に使用されている、メンテナンスの行き届いたビンテージのハードウェア・リバーブも収録されています。
有名なEMT140、比較的明るめのキャラクターのEchoplateは曲調に合わせたサウンドメイクの幅を広げます。
スプリングリバーブ(AKG BX-20E)は、ギターアンプなどに付属するいわゆるスプリングリバーブとは違い、素直に伸びていく、かつ深みがある印象です。汎用性が高くボーカルに適用しても綺麗にまとまると思いました。



Sunset Sound Studio Reverbは、現在イントロプライズで、通常価格29,990円のところ17,990円となっています。
かなりオススメのリバーブですので、ぜひそのサウンドを確かめてみてください!

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