サウンドが徐々に長くなるバッキング HALion6の使い方
HALion6のQuick Control機能を活用することで、EDMやエレクトロミュージックで頻用される「バッキングのリリースが徐々に伸びる」「フィルターのカットオフが段階的に開く」といった複雑なサウンド変化を簡単に実現できます。本記事では、パラメーターのアサイン方法から範囲設定、さらに複数パラメーターの同時制御まで、Quick Controlの実践的な使い方を詳しく解説。これにより制作時間を大幅に削減しながら、楽曲に豊かな表情と躍動感をもたらすことが可能になります。
Quick Controlで表情豊かなバッキングを作る

EDMやエレクトロミュージックでよく用いられる
「楽曲の盛り上がり部分に向けてバッキングのリリースが徐々に伸びていく」や「フィルターのカットオフが徐々に開いていく」というテクニック。
こだわって作りこもうとすると、かなりの手間がかかってしまいます。
HALion6のQuick Controlを使えば、複雑なオートメーションも簡単に表現することができます。
サウンドが徐々に長くなるバッキング 解説動画
プリセットの選択とQuick Controlの表示
まずはオートメーションをかけたい任意の音色を選択します。

今回はWave Table SynthのAnimaを使用します。

プリセットから「Synth Comp → Analog → Analog → Arcade 01」を選択します。

MACROでGUIを表示します。

下にある8つのノブがQuick Controlsになります。
初期状態では全8つのノブに自動でパラメーターがアサインされています。
AmpのReleaseやFilterCutoffもアサインされていますね。
Quick Controlをしっかり理解するためにパラメーターをアサインする段階から進めていきましょう。
Quick Controlへのパラメーターアサイン

プログラムのArcade 01 をクリックして「EDIT → SOUND」画面を開きます。
下にあるQUICK CONTROL ASSIGNMENTSを表示すると、ノブの左からQC1〜QC8にアサインされているパラメーターリストが表示されます。
例えば「QC1 Filter.Cutoff」を選択し、右側の「Parameter」を右クリック、「Remove Assignment」を選択をすることで、現在アサインされているパラメーターを削除することができます。

このように空になりました。
それでは、MACROでGUIを表示させ、AMPのReleaseをQC1にアサインしていきましょう。

Quick Controlにアサインしたいパラメーターを右クリックし、「Assign Quick Control」を選択すると、プログラム(Arcade 01)とレイヤー(Anima)にQuick Controlを設定出来るようになっています。

先ほど削除したQC1 はプログラムの方ですので、Arcade 01からQC1を選択します。

これでQC1にパラメーターがアサインされました。

QC1 のノブを右に回すと、Releaseの値が上がる、すなわちReleaseが伸びるようになりました。
このままでも良いのですが、QC1 を右一杯にした時にReleaseが伸び過ぎになってしまうので、最適な範囲設定を行いましょう。

分かりやすいようにReleaseのスライダーを0.0にします。
MacはCommand+クリック、WinはCtrl+クリックを行うと一発でパラメーターが0.0になります。

まずはReleaseが長くなった時のRelease Timeを調節します。
QC1 を左に振り切った状態で調節すると良いでしょう。

次に、スライダーを右クリックで「Set Maximum」を選択します。

さらにQC1ノブを右に振り切って右クリックで「Set Maximum」を選択。

Release Timeを0.0に戻します。
これでReleaseが長くなった時のRelease Timeが設定されます。
次に短い時のRelease Timeを調節します。

QC1 を左に振り切って、Release Timeを調節します。
値を決めたらスライダーを右クリックしSet Minimumを選択します。

続いてQC1ノブも右クリックしてでSet Minimum。

再びRelease Timeを0.0にして完成です。
設定した後にRelease Timeのスライダーを動かすとどうなるでしょう?

設定した所から上に+30、下に−20という事になります。
後から微調整が可能という事ですね。
1つのQCに複数のパラメーターをアサインする
実はこのQuick Control、複数のパラメーターをアサインする事が出来ます。
という事でFilterのCutoffも同時にアサインしてみましょう。

QC1 を左に振り切った後、Cutoffの値を調節し、右クリックでQC1 にアサインします。
QC1 を右に回すと、Cutoffで設定した位置から右に開いていくことになります。
続いてOSCの波形も連動させてみましょう。
このプリセットはOSC1 とOSC2 の2つのオシレーターが使用されています。
OSC2 のPOSITIONを動かすと面白そうですね。

という事でPOSITIONを右クリックでQC1。今度は動きを逆にしてみましょう。

POSITIONを右の状態にして、右クリックでSet Minimum。

POSITIONを左にして、右クリックでSet Maximum。

POSITIONを50.0に設定します。
POSITIONの数値は0から100で「+−」が無いので、範囲設定した値をまんべんなく鳴らすためにはためには、中央の値に設定しなければなりません。
上記でQC1へのMaximum / Minimum設定は終わっているため、この段階では特に設定する必要はありません。

最後に、DAW側でクイックコントロールのオートメーションを記録して完成です。
いかがだったでしょうか。
様々なパラメーターをコントロール出来るQuick Controlは、1つのノブに複数アサイン出来るので、
より複雑な音色変化も可能になり、楽曲に表情が生まれます。
積極的に使用してください!
よくある質問
Q1. HALion6のQuick Controlとは何ですか?
Quick Controlは、複数のパラメーター(リリースタイムやフィルターカットオフなど)を一つのノブで統合制御できる機能です。複雑なオートメーションを効率的に作成でき、手作業による手間を大幅に削減できます。
Q2. 一つのQuick Controlに複数のパラメーターを同時にアサインできますか?
はい、可能です。例えばQC1にAmpのRelease、FilterのCutoff、OSCのPositionなど複数のパラメーターを同時にアサインすることで、一つのノブで多角的なサウンド変化を実現できます。
Q3. Quick Controlのパラメーター範囲設定はどのように行いますか?
パラメーターのスライダーを右クリックして「Set Maximum」「Set Minimum」を選択することで範囲設定できます。最小値と最大値を指定することで、ノブの動きに対する最適な反応範囲を調整します。
Q4. EDM制作に特に有効なQuick Controlの使い方は?
楽曲の盛り上がり部分に向けてバッキングのリリース時間を徐々に延長しながら、同時にフィルターを開いていくなど、複数のパラメーター変化を同期させることで、ダイナミックで表情豊かなサウンドデザインが実現できます。

オンラインDTMレッスン専門 / 2009年から17年




