最大6つの音を並べて、シーケンスごと演奏できる
Lunacyのクラウド型インストゥルメント・ライブラリ「NOVA」に、新しいインストゥルメント「Tides」が登場しました。
Tidesは、ストリングスや木管楽器、ギター、ボーカルなど、自然を感じさせるサウンドを重ねて、鍵盤で鳴らせるループやインパクト音を自由に作れるインストゥルメントです。
幻想的なオーガニックサウンドから、映画の予告編で使えるような重厚なインパクト音まで、幅広く制作できます。
Tidesの主なポイントは、次の3つです。
- 最大6つの音を重ね、タイミングをずらして並べるだけでループやシーケンスを組み立てられる
- DAWのテンポに同期するタイムストレッチで、テンポを変えても音の長さが合う
- ストリングスや木管、ボーカル、効果音など、豊富なサウンドとプリセットを収録
NOVAは、ブラウザでもDAWのプラグインとしても使えるインストゥルメントのライブラリです。
Tidesも、NOVAのプラグインをDAWに読み込めば、ブラウザと同じ画面のままDAWのインストゥルメントとして使えます。
NOVAの使い方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
サウンドサンプル
Tidesのプリセットからいくつかを選び、つなげたサンプルです。
Tides サンプル
幻想的なループやライザー、インパクト音に加えて、上記サンプルの最後にあるように、アイデア次第でビートを組むこともできます。
Tidesの画面と音色
まずは、Tidesの画面の構成を見ていきます。

Tidesの中心にあるのは、左側に並ぶ6本のレーンです。
レーンは上から「A」〜「F」の6本で、それぞれにサンプルや効果音、マルチサンプル音源を1つずつ読み込めます。
画面右端のタブで、表示する設定を切り替えます。
- Global:6本のレーンをまとめた、全体の設定
- Tides:選んだレーンごとの設定
- Effects:エフェクト
- Mix:レーンごとの音量・パン・サイドチェイン
Sound Browserで音を選ぶ
各レーンの音は「Tides」タブから選びます。



Sound Browserの音は、レーンに直接ドラッグして挿入・差し替えすることもできます。
また、空いているレーンにマウスを乗せると表示される「+」をクリックすると、レーンの選択を行わなくても、そのレーンのSound Browserが開きます。

収録サウンドは、ストリングスや木管楽器、ボーカルなどのマルチサンプル音源に加え、スウェル(徐々に膨らむ音)やインパクト、ライザー、ダウンリフターといったサウンドデザイン系の素材、フォーリー(環境音や物音)まで多彩です。
カテゴリーで絞り込み、試聴しながら選べるので、イメージに合う音を探しやすくなっています。
音を並べてループを作る
Tidesの最大の特徴は、DAWやシーケンサーのように音を並べ、鍵盤ひとつで鳴らせることです。
基本の流れは、レーンに音を読み込み、タイミングをずらして並べるだけ。


鍵盤を押すと、押した音の高さで、並べたタイミングどおりに各レーンの音が鳴ります。
和音を押さえれば、各レーンの音もその和音で鳴ります。
例えば、ストリングスやハープ、ギターのプラック(弦をはじいたような短い音)を拍をずらして重ねれば、鍵盤ひとつから複雑なフレーズが生まれます。
ループさせる
「Loop Arrangement」をオンにすると、並べた音が設定した範囲で繰り返し鳴るループになります。



このように音を重ねて作る複雑な音の変化は、DAW上で一から組むと手間がかかりますが、Tidesならレーンに自由に並べるだけで作れます。
レーンを複製する
同じ素材を別のレーンにも置きたいときは、複製が便利です。

レーンごとの音作り
レーンごとの設定は、「Tides」タブで行います。

「Tides」タブには、選んだレーン(「Tide A」〜「Tide F」)の設定が表示されます。
「Attack」「Release」で音の立ち上がりと余韻を整えられるほか、フィルターも用意されています。
和音を押さえたときの鳴り方は、「Monophonic」と「Retrigger」で切り替えられます。

オフにすると、和音を押さえた数だけ音が重なり、厚みのある響きになります。

オフにすると、和音を押さえてもサンプルをもう一度鳴らしません。
インパクト音を1回だけ鳴らしたいときに便利です。
逆再生
逆再生は、レーンごとにも、シーケンス全体にも設定できます。

例えば、複製した音を逆再生にして重ねれば、逆再生の音から、ループの頭へつなぐような効果も作れます。

テンポと揺らぎ
Tidesのタイムストレッチ(音程を変えずに音の長さを変える機能)は、DAWのテンポに同期します。
ライザーやダウンリフター(下降していく効果音)、インパクト音で特に役立つ仕組みです。
テンポに追従するタイムストレッチ
レーンに置いた音は、Shift を押しながらドラッグすると引き伸ばせます。

DAWで使う場合は、引き伸ばした長さがDAWのテンポに合わせて保たれます。
例えば1小節で鳴り切るように作ったインパクト音は、テンポを変えても1小節に収まります。
テンポに同期させない
テンポに合わせずに鳴らすこともできます。

オフにすると、DAWのテンポではなく秒単位で鳴ります。
SpeedとDrift
「Global」タブでは、シーケンス全体の速さと揺らぎも調整できます。


機械的にそろったタイミングがほどよく崩れ、自然な揺らぎが加わります。
スケール・エフェクト・ミックス
スケールの固定やエフェクト、ミックスといった仕上げの機能も、ひととおりそろっています。
スケールの固定
「Global」タブの「Scale Lock」で、シーケンス全体をスケールに固定できます。

音程のある素材を重ねても、スケールから外れずに演奏できます。
曲のキーに合わせて設定しておけば、重ねた素材をキーから外さずに鳴らせます。
エフェクト
「Effects」タブでは、「Reverb」「Delay」「Dynamics」「Chorus」「Saturation」「EQ」の6種類を追加できます。
プリセットによっては、すでにエフェクトが入っています。
エフェクトを足すときは、下にある「+」から選びます。


すでに使っているエフェクトは、一覧で薄く表示され、選べません。
追加したエフェクトは、種類や送り量を調整できます。

リバーブは「HALL」「PLATE」「SHIMMER」「CONVOLVE」から選べ、コンボリューション・リバーブ(実際の空間の響きを使うリバーブ)にも対応しています。

スウェルにはリバーブを深くかけ、インパクト音にはかけない、といった使い分けができます。
ミックスとサイドチェイン
「Mix」タブでは、レーンごとの音量とパン、サイドチェインを設定できます。

レーン同士のサイドチェインを使えば、インパクト音が鳴った瞬間に別のレーンのスウェルを下げる、といった処理もTidesの中だけで完結します。
プリセットを使う・保存する
用意されたプリセットを読み込んで使うほか、作った音色をプリセットとして保存することもできます。
豊富なプリセット
Tidesには、サウンドデザイナーによる豊富なプリセットが用意されています。

ループだけでなく、厚みのあるパッドや、鍵盤を押さえるだけで鳴るインパクト音、ループせずにプラックで短いシーケンスを鳴らすものなど、プリセットによって使い方は大きく変わります。
一覧を開かずに、プリセットを切り替えることもできます。

プリセット名の左右にある矢印で、順番に切り替えて聴き比べることが可能です。
右上の杖のアイコン「Generate Preset」をクリックすると、ランダムな組み合わせで新しいプリセットが作られます。
作った音色を保存する
作った音色は、プリセットとして書き出しておけます。

書き出しておけば、あとから読み込んで同じ音色をすぐに呼び出せます。
価格
Tidesは、通常価格$99のところ、10月16日〜11月1日のセール期間中は$49で購入できます。
実際に使用してみた印象では、6本のレーンに直感的に音を並べるだけで、独創的なループやインパクト音を作れる点が魅力的に感じました。
並べた音がそのまま鍵盤で演奏できる楽器になり、音を重ねる「縦」と、時間の流れに沿って変化を加える「横」の両方からアプローチできるのも新鮮です。
ブラウザからも試せるので、ぜひ音を鳴らしてみてください。
※価格は2026年10月時点の情報です。
最新の価格は販売サイトでご確認ください。
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