第7回目 全体の総論 オーケストレーションについて
こんにちは。XFLAG SOUND CREATORの「ジギルさん」です。
当カテゴリーではオーケストレーションについてというテーマに沿ってオーケストラの基本的な知識、弦・金管・木管に打楽器や編入楽器といった内容をお届けしていきます。
今回は楽器の紹介や打ち込みを行うのではなくオーケストレーション全体の総論という形で、現在までの記事を振り返ってみたいと思います。
当コンテンツで学べる項目
- 楽曲制作の設計図について
- オーケストラの魅力を知る
オーケストレーションの技術⑦ 総論動画
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現在までの振り返って 楽曲の設計図
これまでの解説を通して、下記のような項目を解説してきました。
ただ、その中でこれらを「どう組み合わせて良いのかわからない」という方もいらっしゃると思います。
このような時は今までのポイントを意識した「設計図」を作成してみてください。
ここでいう設計図とは「メロディや構成を含め、感情曲線までを前もって考えたもの」を指します。
各回でご視聴いただいた「アルマゲドン」楽曲は約30秒と短いですが、
序盤→中盤→終盤と予め楽曲の構想を練って作成しました。
この楽曲をどのような構想を描いて作成したのか?ということをお話しさせてください。
- 序盤 : キャラクターの強さ 終末感
- 中盤 : 無邪気な印象
- 終盤 : 難敵の強大さ 壮大な物語の終わり
皆さんも楽曲を作成する際は、この設計図、イメージ作りに十分な時間をとるようにしてください。
いつもと違う楽曲アプローチが生まれるはずです。
それでは、なぜこのような楽器を選んだのか?という理由をオーケストラの魅力と共にお伝えしていきます。
オーケストラの魅力について
オーケストラに取り組んでみたいとお考えの方へ、オーケストラの魅力をお伝えしておきたく思います。
魅力1 多彩なサウンド
複数の楽器で同一のメロディーを演奏することで、様々なサウンド表現を行うことができます。
組み合わせのイメージはシンセサイザーの音作りに近いと感じます。
POPなどではボーカルがメロディを歌う際、他の楽器は伴奏に徹することが多いですが、オーケストラではメロディーやオブリガート/ユニゾン/オクターブが頻出します。
同じメロディーを演奏していたとしても、楽器を変化させるだけで大きく表情が変わってきます。
アルマゲドンの楽曲では、このように楽器を変化させることで、設計図のイメージを表現しました。
魅力2 楽器の入れ替わりよる多彩な音色・音量変化
これまで解説してきた様々な楽器達が重なり合うのがオーケストラです。
このような項目を意識して、使用する楽器選択を行なっていくことで、よりクオリティの高い、設計図に則った楽曲制作が行えると考えています。
いかがでしたでしょうか?
楽器、フレーズの組み合わせは無限大です。
様々な可能性を組み合わせて、オリジナルサウンドの作成を楽しんでください!
次回はいよいよ最終回、「和声」について解説していきます。
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講師:ジギルさん XFLAG SOUND CREATOR
profile : 京都生まれ モンスターストライクを中心にゲームやPV等の作曲、効果音制作を担当。
個人ではYouTubeやニコニコ動画等で音楽活動を行っており、これまでの累計再生数は約1000万回を数える。
研究熱心で、サウンドのみならず動画編集も自ら行うスキルを習得している。
<主な担当作品>
モンスターストライク 効果音(iOS/Android)・キャラクターPVサウンドデザイン
ファイトリーグ BGM・効果音(iOS/Android)