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目次

sus系コード③ sus2(サスツー)/音楽理論講座

Author: sleepfreaks

サスツーコードの概要

今回は、比較的新しいコード、「sus2(サスツー)」について学んでいきましょう。
sus47sus4omitの知識が必須となりますので、未読の方はそちらからお読みください。

昔は見かけることはなかったらしいですが、近年ではWebサイトや本でも普通に掲載されています。
DAW上でも見かけますね。

sus2_daw-1

サスツーの響き

まずは、サスツーのサウンドを確認してみましょう。
コードの構成音を順に鳴らした後に、コードが鳴ります。

  • Csus2

先に言っておくと、sus4同様、3rdの音(m3rd,M3rd)がないのが特徴です。
明るい・暗いとは分けられず、クールな響きのように感じます。

他のトライアドのコードと交互に聴いて比べてみましょう。

  • C→Csus2→Cm→Csus2


サスツーの表記

サスツーの表記にはほとんど種類がありませんが、少し特殊な表記法もあります。

sus2

そのままですが、一般的には以下のように表記されます。

  • Cサスツー= Csus2
  • Eサスツー= Esus2

※Cadd9(omit3)に関しては後ほど説明します。


サスツーの成り立ち

また、数字が出てきました。今度は「2」ですね。
add9の回に使用したCメジャースケールの図を用いて、「2」に注目してみましょう。

cmaj_scale

Cメジャースケールの場合、「レ」ですね。
既にお気付きの方もいらっしゃると思いますが、サスツーコードにはこの「2」の音が含まれます。
譜面とピアノロールで確認してみましょう。

csus2_score

csus2_daw

他のトライアドのコードと合わせて、構成を確認してみましょう。


Csus2_comparison

Csus2は、Cadd9のM3rdをオミットしたと捉えることもできます。
ただ、sus2の方が表記として短いので、使用されるようになったと思われます。
cadd9omit3

サスツーを使ってみる

サスツーの代表的な使われ方を見てみましょう。

  • Fsus2→F→Csus4 →C


曖昧な感じからメジャーへの落ち着きが感じられますね。

  • Csus4→C→Csus2→C


このように同じルートで、sus4と交互に使用する等して動きを出す手法もよく見かけます。

次はメジャーやマイナーをsus2に変えてみた例を聴いてみましょう。

  • 変更前 Am→G→F
  • 変更後 Asus2→Gsus2→Fsus2

明るいとも暗いともいえない、クールな印象になりました。

以上のように、色んな使い方ができそうですね。
使用している曲を見つけたら、前後のコードも含め分析してみてください。

ギターにおけるサスツーコードの考え方

以下は、ギターの有名なCadd9の押さえ方(ボイシング)ですが、

csus2_guitarcsus2_guitar_daw

実はこれはCsus2で、M3rdが含まれている押さえ方が、Cadd9じゃないの?
などと言われることがあります。
cadd9_guitarcadd9_guitar_daw2

M3rdがあるかどうかの違いですね。
他の楽器がM3rdを弾いていることでadd9が成立していたり、アレンジ上問題なければどちらでも構いませんが、ギター単体でしっかりと明るさを出したい(or 出したくない)場合等は、意識的に使い分けた方がいいでしょう。

ドミナントセブンス・サスツーについて

一番最初の画像にも出ていた「ドミナントセブンス・サスツー(7sus2)」についてですが、こちらは他のコードとも言えるので、見かけることは少ないです。
ただ、前後のコードとの関係でこの記述の方がわかりやすいというケースもあるようです。
もし見かけた場合は、以下のような構成になります。
c7sus2





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記事の担当 伊藤 和馬/ Kazuma Itoh

講師 伊藤
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。 バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
その技術を活かし、POPSから映像音楽まで、幅広い作曲活動を行っている。

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