add9(アドナインス)コード/音楽理論講座

Author: sleepfreaks

add9コードの概要

今回は、残りのsus系コードを学ぶ前に、バラードはもちろん、幅広いジャンルで使用され、また後の回の「テンションコード」にも繋がる「add9(アドナインス)コード」を学んでいきましょう。
共通音を意識したアレンジでもよく使用されるコードです。

「9」という数字はちょっと馴染みがないかもしれませんが、今までのmaj”7″やm”7”、sus”4”などと同じように、ルート(根音)からの距離を表しています。
コードのサウンドを確認する前に、まずはこの「9」という数字の意味を紐解いていきましょう。

スケールに数字を振って覚え易くするという方法を以前ご紹介しました。
(参考:27. 音名の相対表記(Scale degree names)
これまでは8までしか出てきませんでしたが、2回り目のメジャースケールも打ち込んで、数字を振っていきましょう。
例えばCメジャースケールだと以下のようになります。

c-2oct

こうすると、「9」という数字がどの音を示すかは、もうお分かりですね?
ご覧の通り、Cメジャースケールの場合は「D」です。

そして、メジャー(トライアド)に9thをaddする(加える)と、add9(アドナインス)コードが出来上がります。
✳︎メジャー・アドナインスはあまり呼ばれず、アドナインスという呼称が一般的です。

つまり、Cadd9の構成音はC,E,G,Dということですね。



アドナインスの響き

まずはadd9コードのサウンドを確認してみましょう。
コードの構成音を順にならした後に、コードが鳴ります。

メジャー(トライアド)のシンプルな明るさでもなく、メジャー・セブンスの切ない雰囲気でもない、透き通った印象を受けます。非常にきれいな響きですね。


アドナインスの表記法と成り立ち

アドナインス、以下のように表記されることが多いです。

add9

最も一般的なのは、以下の表記法と思います。

  • Cアド・ナインス= Cadd9
  • Fアド・ナインス= Fadd9

一方、Cadd2という表記も稀に見ることがあります。
ピアノやギターなど、楽器でも違う場合もありますね。
数字に注目してみましょう。

9th

2と9はオクターブ違いのDですね。
四和音のコードを学んだ際に、”逆転の発想”がありました。それと同じ考え方で、ルートの全音上の音と覚えてしまうのもアリです。
ルートから遠いようで、実は近いというイメージが持てれば、音に早くたどり着けます。

また、中には2と9を別物として分ける捉え方もあるようです。

add9_add6


マイナー・アドナインス

せっかくなのでマイナーも合わせて覚えておきましょう。
addの前に小文字の”m”また”-“がつくことが多いです。

madd9

2”M2nd”とb3”m3rd”の半音の響きが雰囲気に合わない場合は。上で使用するようにしてください。

音を聴くとわかりますが、こちらはかなり切ない響きのコードです。
(コードの構成音を順に鳴らした後に、コードが鳴ります。)





アドナインスの構成

例として、Cadd9/Cmadd9コードの基本形を、譜面とピアノロールで確認しておきましょう。

add9_score
add9_daw

覚え方は上述の通り、メジャー(マイナー)トライアド+M9thということになります。


アドナインスを使ってみる

では、アドナインスを実際に使用してみましょう。
共通の音を意識した使い方をしてみます。

  • Key=Cメジャー Am7→G→Fadd9


am7-g-fadd9

トップノートが共通音として綺麗に響いていますね。流れもスムーズです。

II-V-Iに組み込むのもお洒落です。

  • Key=Cメジャー Dm7→G7→Cadd9

なんとも後ろ髪を引かれる感じの終わり方ですね。

他に、9thの音をメロディーの中で目立つように使用している際に、add9のコードを使ってそのメロディを強調してあげるといったケースもあります。
楽曲分析の際は、ぜひメロディーにも注目してみてください。




記事の担当 伊藤 和馬/ Kazuma Itoh

講師 伊藤
18歳で渡米し、奨学金オーディションに合格後、ボストンのバークリー音楽大学で4年間作曲編曲を学ぶ。 バークリー音楽大学、現代音楽作曲学部、音楽大学課程を修了。
その技術を活かし、POPSから映像音楽まで、幅広い作曲活動を行っている。

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