エンジニア・プロデューサー 小嶋隆一のマスタリング講座 ④ DDPファイルの作成

Author: sleepfreaks

CDプレスを行うためのDDPファイルを書き出す

「CD制作のためのマスタリング」も今回で最終回となります。
プレス業者さんに納品するための、マスターファイル作成(DDP)について解説していきます。

DDPファイルとは?

「ディスク・ディスクリプション・プロトコル」の略称で、「wavファイル」などの音楽データではなく、楽曲名、テキスト情報、曲間などを含めたデータです。

以前まではCD-RやDAT(デジタル・オーディオ・テープ)にマスター音源を入れ業者さんへ渡していたのですが、最近ではこのDDPファイルが主流になっています。
そのためここでは、マスタリングを行なった2曲をDDPファイルとして書き出していきます。

フォルダ分けを行う

Folder

これまで行なったマスタリング済みのマスター音源と、プレス業者さんに渡すためのファイルを把握するためにフォルダを2つに分けます。
プレス業者さんへ渡すフォーマットは上記に記載した「DDPファイル」となります。

CDプレス用に書き出しを行う

Export

まずは、DAWでファイルの書き出しを行います。
CD用にプレスをするので、ファイルフォーマットは「44.1kHz / 16bit」のWAVファイルとなります。

この際、DAWのプロジェクトからサンプリングレートやビットデプスを落とす場合は、必ずディザリングを使用してください。
ディザリングの方法はDAW別の記事を用意しています。

Export Wave Files

このように上記で作成した「マスターファイルのフォルダ」へ書き出します。

マスタリングソフトに楽曲を読み込む

ここでは楽曲ファイルからDDPファイルを作成するために、Steinberg社のWAVE LABという、波形編集 / マスタリング用のソフトを使用していきます。

WaveLab

このDDP書き出しの機能が備わっているDAWソフトとして「StudioOne」が挙げられます。

解説していく作業は製品が異なったとしても同様となりますので、ご安心ください。

Song

このようにWAVE LABへ楽曲を読み込みます。

曲の前後にフェードを書く

複数の楽曲をアルバムに収録する場合、楽曲のイントロとアウトロの入りや、消え際の処理がしっかりと行いましょう。
僅かなノイズが乗ったり途中で切れたりすることがあります。

このようなことを避けるために、フェード処理をして完全な無音部分を作ります。

Fadein

まずはイントロにフェードカーブを書きます。

Fadeout

アウトロにもフェードカーブを書きます。

曲間を調整する

楽曲と楽曲の間、いわゆる曲間を決めていきます。

Setting

WAVE LABの場合は「各トラック前の休止時間」メニューから曲間を調整します。

2s

ここでは標準的な曲間の2秒としました。

正式なファイル名を付ける

ファイル名を仮で付けている場合、ここで正式な曲名にする必要があります。

SongName

しっかりと確認をして曲名を入れましょう。

Song-S

併せて曲間も確認をします。

DDPファイルの書き出し

ここまで処理を行った後は、DDPの書き出しへ進んでいきます。
「CDボタン」をクリックすると「オーディオCD または DDPを読み込み」というメニューが開きます。

CD-ICON

「CDボタン」をクリックすると、「オーディオCD または DDPを読み込み」というメニューが開きます。

DDP

ここで「ドライブ」を「DDPイメージ」として、冒頭で作成したDDPフォルダへ書き出しを行います。

DDPファイルの最終確認

これでDDPファイルの作成ができましたが、最後に確認しておくべき点があります。
DDPファイルフォルダを開いて、中のファイルを見てみましょう。

DDP-atn

これらファイルでDDPが構成されていますので、ファイルが生成されていないなどのエラーが無いかをチェックしてください。

ZIP

最後に「zipファイル」に圧縮します。
圧縮が終わった後は、zipファイルを一度解凍してみて不具合が無いか?という二重チェックも行うようにしてください。
これで全ての作業が完了しました。

当解説の最後に

「CD作成制作のためのマスタリング」いかがでしたでしょうか?
マスタリングと言っても、音質調整の他に曲間調整や納品ファイル作成などの、CD作成に必要なデータを用意する作業も含まれています。

また、当解説で行った音質調整も全てが同じという訳にはいきません。
楽曲に合った適切なエフェクター選び、音圧調整、曲間など、100曲あったら100通りの処理があるということを意識してください。
練習も含めて何百曲もマスタリング行うという意気込みで挑戦してみてください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



小嶋隆一(エンジニア・プロデューサー)プロフィール

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マルチプレイヤー(ギター、ベース、キーボード、プログラミング等)であり、作曲、編曲、レコーディング~マスタリングまでマルチでプロデュース出来る日本では数少ないエンジニア•プロデューサー。

経歴は、ヤマハ音楽振興会主催第24回ポピュラーソングコンテストつま恋本戦会、第13回世界歌謡祭出場後シンガー・ソング・ライターとして音楽活動に専念するが25歳で引退。
制作ディレクターに職種を変えヤマハ音楽振興会~ソニー•ミュージック•エンタテインメントで15年に渡り実績、経験を積む。

2000年に制作/レーベル/レコーディング/マスタリングを核にしたApple Paint Factroy Ltd.を設立。現在に至るまで代表取締役兼エンジニアプロデューサーとして活動している。

エンジニア•プロデューサーの顔以外に、これまで多数のロックバンド、シンガーソングライターをアマチュアからメジャーデビューに導いた手腕も高く評価されている。
また、エンジニア・プロデューサーとしてニューヨーク•ステアリングサウンド、ロンドン•アビーロードスタジオでの仕事交流の実績もある。




[これまで手がけて来たアーティスト、作品]


●ヤマハ音楽振興会時代→作曲家:小森田実(SMAPなど実績多数)、作詞家:山田ひろし(TOKIOなど実績多数)育成


●ソニー•ミュージック•エンタテインメント時代→the brilliant green、フラワーカンパニーズ、To Be Continued、センチメンタル•バスザ•ハミングス(現在秦基博のサウンドプロデューサー上田禎在籍)、Continental Breakfast(サウンドプロデューサー西岡和也在籍)、miyuki、CALL、The Bluck、BLue-B、朝日美穂他多数アマチュアからメジャーに導き制作プロデュースを行う。


●2000年以降→Wyse(ワーナーミュージック•ジャパン)、Walrus(テイチクエンタテインメント、ブンブンサテライツのサウンドプロデューサー三浦カオル在籍)、CLOUD(クラウンレコード)、川嶋あい(インディーズ盤3部作制作マスタリング)、サスケ(育成)、手嶌 葵(デビュー前デモCDマスタリング)、Cube Juice(ビクターエンタテインメント)、サカヒカリ(コナミ・エンタテインメント)、Great Adventure(EMIミュージック)他多数。




[コラボレーション]



●
ジャスティン・ノズカ(カナダ)(EMIミュージック)→2nd Album国内盤ボーナストラックのミックス、マスタリング担当。
The Accelerators(Italy)デビッドビアンコプロデュース作品→1st Album全曲マスタリング担当。
町田康→新潮社朗読CD「そこ溝あんで」編曲、録音、ミックス、マスタリング担当。




●アニメ作品

峰倉かずや作品「私立荒磯高等学校生徒会執行部」の主題歌、エンディング曲の作曲、編曲、録音、ミックス、マスタリング担当。



[最近の作品]


The Captains、Go Go Vanillas、The Twenties、Paper Syndrome、藤岡正明、リトルタートルズ、URBANフェチ、加藤登紀子、長田勇気、上野まな等全アーティスト編曲、録音、ミックス、マスタリング担当。
また、K-POPアーティストBTOB、Girls Dayの日本盤CD何も2015年リリース作品の制作ディレクションを担当。
2017年公開の映画『まっ白の闇』(日本芸術センター第9回映像グランプリ グランプリ作品)
サウンドトラック担当(作曲、編曲、録音、ミックス、MA担当)。
主題歌『Look For The Light/歌 夕蘭(れりあ)』サウンドプロデュース担当。
Shun Kikuta & BLUES COMPANY、2018年リリース最新アルバム、録音、ミックス、マスタリング担当。

WEBサイト : http://www.apf.co.jp